
「年金だけでは生活が厳しい」という人に、年金へ上乗せして支給される年金生活者支援給付金。2026年度に新たに支給対象となる人へ、日本年金機構が9月1日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」を順次発送しています。
2026年度の給付基準額は、老齢年金生活者支援給付金が月5,620円を基準、障害年金生活者支援給付金は1級が月7,025円、2級が月5,620円、遺族年金生活者支援給付金は月5,620円です。
タイトルで最も誤解しやすい点:「9月1日から月7,025円を新規対象者全員へ支給開始」ではありません。9月1日に始まったのは請求書の発送です。また、7,025円は障害基礎年金1級を受ける対象者の給付額で、老齢・遺族・障害2級とは金額が異なります。
結論|9月1日から何が始まった?
| 項目 | 2026年度の内容 |
|---|---|
| 9月1日から | 新たに対象となる基礎年金受給者へ請求書を順次発送 |
| 年度判定の反映期間 | 2026年10月分~2027年9月分 |
| 老齢 | 月5,620円を基準に納付済期間・免除期間等で計算 |
| 障害1級 | 月7,025円 |
| 障害2級 | 月5,620円 |
| 遺族 | 月5,620円(複数の子が受給する場合は按分) |
| 手続き | 請求書の提出が必要。電子申請または郵送 |
年金生活者支援給付金とは?
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入やその他の所得が一定基準以下の人について、生活を支援するため年金に上乗せして支給する恒久的な給付制度です。
一時的な「物価高給付金」とは異なり、支給要件を満たしている間は継続して受け取ることができます。
年金そのものとは別のお金:給付金は年金額の一部ではなく、支給要件を満たす人に年金へ上乗せして支払われます。振り込みも年金と同じ口座へ、年金とは別に行われます。
なぜ2026年9月に「新規対象者」が出るの?
年金生活者支援給付金は、毎年度、前年の所得情報などをもとに支給要件を判定します。
2025年より所得が下がった、世帯構成が変わった、世帯員が住民税非課税になった――といった事情により、これまで対象外だった人が2026年度から新たに対象になることがあります。
厚生労働省によると、2026年度に新たに支給対象となる人には、日本年金機構が2026年9月1日から順次、請求書を送付しています。
届くのは「緑色の封筒」
日本年金機構の案内では、新規対象者へ緑色の封筒で「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送られます。
請求書には、手続きを行った場合の支給見込額(月額)も記載されています。
自分の正確な金額を知りたい場合は、「月5,620円」「月7,025円」という一般的な基準額だけを見るのではなく、届いた請求書に記載された見込額を確認するのが最も確実です。
請求方法は2つ|電子申請か郵送
1.電子申請
対象となる請求書が届いた人は、案内に従って電子申請できます。電子申請を完了した場合、同じ請求書を郵送する必要はありません。
2.郵送
はがき型請求書に氏名などを記入し、目隠しシールを貼ったうえで郵送します。
「自動でもらえる」と思って放置しない:新たに対象となった人は、年金生活者支援給付金の認定請求が必要です。請求書が届いたら、記載内容を確認して早めに手続きしてください。
いつから支給される?「9月分」ではなく2026年10月分から判定反映
厚生労働省は、2026年度の支給判定結果について、2026年10月分から2027年9月分まで反映すると案内しています。
つまり、「9月1日に封筒が届いた=9月分から給付」とは限りません。
日本年金機構によると、年金生活者支援給付金は原則として偶数月の中旬に、前月・前々月の2か月分をまとめて支払います。
たとえば10月分と11月分は、原則として12月中旬の支払い対象になります。
2026年度はいくら?給付額を一覧で確認
| 種類 | 2026年度の給付額 | 注意点 |
|---|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 月5,620円を基準 | 納付済期間・免除期間等で個別計算 |
| 補足的老齢年金生活者支援給付金 | 所得・納付期間等により変動 | 基準額をそのまま受け取る制度ではない |
| 障害年金生活者支援給付金・1級 | 月7,025円 | 障害基礎年金1級+所得要件 |
| 障害年金生活者支援給付金・2級 | 月5,620円 | 障害基礎年金2級+所得要件 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 月5,620円 | 複数の子が受給する場合は人数で按分 |
2026年度の給付基準額は、2025年度から3.2%引き上げられました。
老齢年金生活者支援給付金の対象者
老齢基礎年金を受けている人は、主に次の要件を確認します。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等収入とその他の所得の合計が一定額以下
厚生労働省の2026年10月時点の案内では、所得上限の目安は、生年月日により924,100円~926,500円以下です。
このうち、昭和31年4月2日以後生まれの場合、年金収入等が826,500円以下なら老齢年金生活者支援給付金、826,500円超926,500円以下なら所得に応じて減額される補足的老齢年金生活者支援給付金の対象となる仕組みです。
「年金収入93万円以下なら全員対象」ではありません。老齢の場合は、世帯全員が市町村民税非課税であることなど、ほかの条件も同時に満たす必要があります。
老齢は「必ず月5,620円」ではない
老齢年金生活者支援給付金は、月5,620円が給付基準額です。
実際には、国民年金保険料を納めた期間や免除期間などを使って個別に計算するため、人によって支給額が異なります。
そのため、「対象になれば全員一律5,620円」と紹介するのも正確ではありません。
月7,025円を受け取れるのは「障害1級」の対象者
2026年度に月7,025円となるのは、障害基礎年金1級を受給し、所得要件を満たす人です。
障害年金生活者支援給付金の2026年度額は、
- 障害1級:月7,025円
- 障害2級:月5,620円
となっています。
厚生労働省の2026年10月時点の案内では、前年所得が4,918,000円以下であることが基本要件で、扶養親族等の人数に応じて基準は加算されます。
遺族年金生活者支援給付金は月5,620円
遺族基礎年金の受給者についても、前年所得等の要件を満たせば、遺族年金生活者支援給付金を受け取れます。
2026年度の給付額は月5,620円です。
ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受け取っている場合は、5,620円を子の人数で割った額をそれぞれに支給します。
すでに給付金を受けている人は原則「再申請不要」
すでに年金生活者支援給付金を受給している人については、日本年金機構が毎年、市町村から所得情報を受け取り、継続して要件を満たしているかを判定します。
要件を満たし続けている場合、通常は新たに請求書を提出する必要はありません。
今回9月1日から送られている緑の封筒は、主にこれまで受給していなかったものの、2026年度に新たに要件を満たした人が対象です。
請求書が届かないのに「自分も対象かも」と思ったら?
所得の低下や世帯構成の変化があったにもかかわらず、請求書が届かない場合は、日本年金機構の年金事務所や給付金専用ダイヤルへ確認できます。
日本年金機構の給付金専用ダイヤルは0570-05-4092です。
また、厚生労働省の年金生活者支援給付金特設サイトには、対象の目安を確認できる簡易チェックも用意されています。
詐欺にも注意|日本年金機構が暗証番号を聞くことはない
年金・給付金の案内が届く時期には、「給付金を受け取るには手数料が必要」「ATMで操作してください」といった詐欺にも注意が必要です。
日本年金機構は、電話で家族構成、金融機関の暗証番号を聞いたり、給付のための手数料を要求したりすることはないと案内しています。
ATM操作を指示されたら要注意:不審な電話やSMSが届いた場合は、相手が示した番号へ折り返さず、日本年金機構の公式窓口や警察相談専用電話「#9110」などへ確認してください。
年金が少ない人は「ほかの支援」も同時に確認
年金生活者支援給付金の対象となるような低所得の年金受給世帯では、自治体によって次のような支援の対象になる可能性もあります。
- 住民税非課税世帯向けの自治体独自給付
- 国民健康保険・後期高齢者医療の負担軽減
- 介護保険料の所得段階別軽減
- 高額療養費
- 高額介護サービス費
- 自治体独自の商品券・物価高対策
ただし、年金生活者支援給付金を受けているからといって、これらが自動的にすべて受けられるわけではありません。制度ごとに所得・世帯等の条件を確認してください。
この記事のポイント
- 2026年9月1日から、新規対象者へ年金生活者支援給付金請求書を順次発送
- 9月1日は「支給開始日」ではなく「請求書発送開始日」
- 2026年度の新しい支給判定は10月分~2027年9月分へ反映
- 老齢は月5,620円を基準に納付済期間・免除期間等で個別計算
- 障害1級は月7,025円、障害2級は月5,620円
- 遺族は月5,620円
- 月7,025円を新規対象者全員へ支給する制度ではない
- 新規対象者は請求手続きが必要
- 請求書には本人の支給見込額(月額)が記載される
- 原則として偶数月に2か月分をまとめて年金と同じ口座へ別途振込
よくある質問
Q:9月1日から月7,025円が支給されるのですか?
いいえ。9月1日に始まったのは新規対象者への請求書発送です。また、月7,025円は障害年金生活者支援給付金の1級の金額です。
Q:老齢年金の人はいくらですか?
2026年度の給付基準額は月5,620円ですが、実際の支給額は国民年金保険料の納付済期間や免除期間などに応じて計算されます。
Q:いつの分から対象になりますか?
2026年度の新しい所得判定等は、2026年10月分から2027年9月分まで反映されます。
Q:緑色の封筒が届いたら何をすればいいですか?
同封された請求書を確認し、電子申請または郵送で認定請求を行ってください。請求書には支給見込額(月額)も記載されています。
Q:すでに受給している人も9月に再申請が必要ですか?
通常は不要です。日本年金機構が前年所得等を確認して継続認定を行います。
Q:年金生活者支援給付金は1回限りですか?
いいえ。恒久的な制度で、支給要件を満たしている限り継続して受け取れます。
参照情報
- 日本年金機構:年金生活者支援給付金
- 日本年金機構:年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ
- 日本年金機構:令和8年4月分からの年金額等について
- 厚生労働省:年金生活者支援給付金制度について
- 厚生労働省:年金生活者支援給付金 よくある質問




