くら寿司は9月5日、社内調査の結果、キャンペーンに関する従業員の不正行為が判明したと発表しています。コラボを目的に来店を予定していた利用者への影響は大きく、店舗ではキャンペーン終了を知って入店せず帰る人や、予約をキャンセルする人も相次いだと報じられています。
一方、くら寿司ではコラボ早期終了への「お詫び」として全品10%引きを実施。値引きだけを見ればお得なキャンペーンですが、「ちいかわ」の限定グッズやコラボ企画そのものを目的としていた利用者にとっては、10%引きでは代替にならなかったようです。
くら寿司「ちいかわ」コラボはなぜ中止になった?
くら寿司は2026年8月21日から、「ちいかわ」とのコラボキャンペーンを開催していました。
ビッくらポン!のオリジナルフィギュアやアクリルマグネット、缶バッジをはじめ、限定の湯呑みや寿司皿、コラボメニューなど、複数の企画が用意されていました。
しかし、キャンペーン開始後にはフリマサイト等への大量出品をめぐってSNS上で疑問の声が拡大。くら寿司は9月2日に一部SNS投稿について調査していることを公表し、その後の社内調査で従業員による不正行為が判明しました。
そのため、当初9月30日まで予定されていたコラボキャンペーンは、9月6日の営業開始をもって中止となりました。
中止された主な「ちいかわ」コラボ企画
- 「ビッくらポン!」のオリジナルグッズ
- 限定湯呑みのプレゼント企画
- 限定寿司皿のプレゼント企画
- レシート応募によるプレゼント企画
- 「ちいかわ」をテーマにしたコラボメニュー
- 一部店舗で行われていた装飾・映像などのコラボ企画
限定品にはコレクション目的の需要が強く、一部の商品がフリマサイトなどで高値で取引されるケースもあります。そのため、キャンペーン終了はファンだけでなく、転売目的で商品を確保しようとしていた人にも影響したと考えられます。
全品10%オフでも「入店しない」人が相次いだ理由
くら寿司ではコラボ早期終了のお詫びとして、全品10%引きの対応を実施しました。
しかし報道によると、都内店舗では、スタッフからコラボ終了を知らされるとそのまま入店せず帰る利用者も数多く見られたとされています。予約キャンセルも発生しました。
これは必ずしも不思議な現象ではありません。「寿司を安く食べたい人」と「ちいかわグッズを手に入れたい人」では、そもそも来店目的が異なるからです。
5,000円分飲食して10%引きになったとしても、節約できる金額は500円です。それより限定グッズやコラボ体験そのものに価値を感じていた人であれば、値引きを受けても来店する理由がなくなる場合があります。
「転売で稼げなくてもお金がもらえる方法」はある?
限定商品の転売は、商品を確保できるか、販売価格が上昇するかによって収益が大きく変わります。人気商品でも供給が増えれば価格が下落するため、安定した収入源とはいえません。
そこで確認しておきたいのが、国が設けている公的な給付制度です。
もちろん「転売できなくなったから給付金がもらえる」という意味ではありません。それぞれの制度には所得、就労状況、求職活動などの条件があります。
条件に該当する人であれば、代表例として次のような支援を受けられる可能性があります。
①月10万円を受給しながら無料の職業訓練を受けられる「求職者支援制度」
転売などの不安定な副収入ではなく、安定した仕事を探したい人に特に確認してほしいのが、厚生労働省の求職者支援制度です。
求職者支援制度は、再就職・転職・スキルアップを目指す人が、無料の職業訓練を受けながら、一定の条件を満たせば月10万円の職業訓練受講給付金を受給できる制度です。
主な支給内容
- 職業訓練受講手当:月10万円
- 通所手当:月最大42,500円
- 寄宿手当:月10,700円(一定条件あり)
対象となる訓練には、IT、Webデザイン、事務、介護、医療事務などさまざまな分野があります。
主な対象者
例えば、次のような人が制度の対象になる可能性があります。
- 雇用保険を受給できない離職者
- 雇用保険の受給が終了した人
- フリーランス・自営業を廃業した人
- 一定額以下の収入で働きながら正社員への転職を目指す人
実際に月10万円の給付を受けるには、所得・資産など別途の支給要件があります。
申請方法
まずハローワークで求職申込みを行い、相談のうえで対象となる職業訓練を選択します。給付金についてもハローワークで手続きを行います。
②家賃相当額を支給する「住居確保給付金」
離職や収入減少によって家賃の支払いが難しくなった場合には、住居確保給付金を利用できる可能性があります。
一定の所得・資産要件などを満たし、求職活動等を行う人について、自治体が定める上限額の範囲で家賃相当額を支給する制度です。
一般的な「自由に使える現金」が一律に振り込まれる制度ではなく、住宅を失うことを防ぎ、就職や生活再建につなげることが目的です。
主な対象
- 離職などにより住居を失った人
- 住居を失う可能性が高い人
- 本人の責任ではない収入減少などにより生活が困窮している人
所得、預貯金などの資産、世帯人数などによって要件や上限額が変わるため、居住地の自立相談支援機関などで確認する必要があります。
③資格取得費用の最大80%が支給される「教育訓練給付制度」
すでに雇用保険の加入歴がある人なら、厚生労働大臣指定の講座を受講した際に教育訓練給付金を利用できる場合があります。
特に「専門実践教育訓練」では、所定の条件を満たした場合、教育訓練経費の最大80%まで給付対象となります。
こちらは生活費として誰でも80%分のお金を受け取れる制度ではなく、対象講座の受講費用を支援する仕組みです。しかし、数十万円から100万円を超える資格講座などでは大きな負担軽減になる場合があります。
転売で利益が出た場合は税金にも注意
限定商品の転売については、「売れればそのまま全部自分のお金になる」と考えない方がよいでしょう。
国税庁は、フリマアプリ、インターネットオークション、ネット通販、転売などによる所得について、原則として事業所得または雑所得として申告が必要になる場合があると案内しています。
年末調整済みの給与所得者でも、給与以外の副収入による「所得」が20万円を超える場合などには、原則として所得税の確定申告が必要になります。
なお、自宅で使用していた古着や家財など「生活に通常必要な動産」を売却した所得は原則非課税です。新品の限定グッズを利益目的で継続的に仕入れて販売するケースとは扱いが異なります。
転売よりも「自分が使える制度」を探した方が確実な場合も
人気キャラクターとのコラボ商品は高値で取引されることがありますが、価格は需要と供給によって変動します。突然の販売中止、出品規制、相場下落などもあり、将来の利益を保証するものではありません。
一方、公的な給付制度は要件さえ満たせば、制度として定められた支援を受けられます。
特に、離職している人、収入が大きく減少した人、低収入で転職を考えている人、資格を取って働き方を変えたい人は、「給付金」という言葉だけで検索するのではなく、ハローワークや自治体の自立相談支援機関で自分が対象になる制度をまとめて確認することが重要です。
この記事のポイント
- くら寿司は従業員の不正行為を受け、「ちいかわ」コラボを9月6日から中止
- コラボ早期終了を受け、全品10%引きの対応が実施された
- 報道では入店せず帰る利用者や予約キャンセルも確認されている
- 転売できなくなったこと自体を理由に受給できる給付金はない
- 一定条件を満たせば、求職者支援制度で月10万円などを受給できる可能性がある
- 離職・収入減少時には住居確保給付金も確認したい
- 転売による利益は確定申告が必要になる場合がある
よくある質問
Q:くら寿司の「ちいかわ」コラボは再開しますか?
2026年9月7日時点で、今回中止されたキャンペーンの再開が正式決定したとは確認できません。今後の対応については、くら寿司公式サイトの最新情報を確認してください。
Q:全品10%オフなら「ちいかわ」グッズも買えますか?
今回の10%引きはコラボ早期終了を受けた対応であり、中止された「ちいかわ」キャンペーンの限定企画が復活したという意味ではありません。
Q:転売の収入がなくなれば月10万円をもらえますか?
それだけでは対象になりません。月10万円の職業訓練受講給付金は、ハローワークで求職申込みを行い、職業訓練を受講することに加え、所得・資産など所定の要件を満たした場合に支給されます。
Q:会社員でも求職者支援制度を利用できますか?
一定額以下の収入で働く人などが、正社員への転職やスキルアップを目指す場合に対象となることがあります。個別の対象可否はハローワークへ確認してください。
Q:転売で得た利益は申告しなくても大丈夫ですか?
利益の金額やほかの所得状況によっては確定申告が必要です。給与所得者の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えるケースなどは特に注意が必要です。
公式・参考情報
- くら寿司:「ちいかわ」コラボキャンペーンの中止について
- くら寿司:コラボ早期終了に伴う全品10%引き案内
- 厚生労働省:求職者支援制度のご案内
- 厚生労働省:生活困窮者自立支援制度・住居確保給付金
- 厚生労働省:教育訓練給付制度
- 国税庁:ネットオークション等による副収入と確定申告





