名古屋市で、極めて危険な状況となっています。

2026年9月8日午後5時55分時点で、名古屋市の60万7,879世帯・117万2,102人に、警戒レベル5にあたる「緊急安全確保」が発令されました。

名古屋市では大雨によって香流川、植田川、谷田川などの水位が上昇し、浸水が発生しているおそれがある状況です。さらに午後6時20分には、愛知県・岐阜県を流れる庄内川にも「レベル5 氾濫特別警報」が発表されました。

警戒レベル5は「避難を始める段階」ではありません。すでに災害が発生しているか、切迫している状況です。外へ移動することが危険な場合は、無理に避難所へ向かわず、自宅や近くの頑丈な建物の上階、川や崖から少しでも離れた場所などで、直ちに命を守る行動を取ってください。

60万7,879世帯・117万2,102人に「緊急安全確保」

8日午後5時55分時点の報道によると、名古屋市では合計60万7,879世帯、117万2,102人に警戒レベル5「緊急安全確保」が発令されました。

名古屋市公式サイトも通常ページから災害緊急情報用ページへ切り替わり、香流川、植田川、矢田川などを対象としたレベル5情報や、複数河川の避難指示を掲載しています。

時刻・状況確認された情報
8日17時55分時点60万7,879世帯・117万2,102人にレベル5「緊急安全確保」
8日18時20分庄内川にレベル5「氾濫特別警報」
名古屋市公式サイト香流川、植田川、矢田川などについて緊急安全確保・避難指示等を掲載

庄内川では「すでに氾濫している可能性」

午後6時20分に庄内川へ発表された氾濫特別警報では、庄内川ですでに氾濫が発生している可能性があり、場所によっては浸水しているおそれがあるとされています。

浸水想定区域には名古屋市のほか、春日井市、小牧市、清須市、北名古屋市など複数自治体が含まれています。

特に夜間は、水面と道路の境界が見えにくく、冠水した道路やアンダーパスへ誤って進入する危険があります。

レベル5で「避難所へ行く」は逆に危険な場合も

警戒レベルは、数字が大きいほど「避難を始めるべき時間が近い」という単純なものではありません。

レベル4「避難指示」の段階で危険な場所から全員避難することが基本で、レベル5「緊急安全確保」は、すでに安全な避難ができない可能性がある段階です。

そのため、道路が冠水している、川の水があふれている、夜で周囲の状況が分からないなどの場合は、無理に遠くの避難所へ向かうより、

  • 建物の2階以上へ移動する
  • 崖・川と反対側の部屋へ移る
  • 近くのより高く頑丈な建物へ移動する

など、その時点で可能な最善の安全確保を行います。

車で冠水道路へ入らないでください。水深が分からない道路、アンダーパス、河川沿いの道路へ進入するのは非常に危険です。

ここから給付金|名古屋市には独自の「災害見舞金」がある

被害を受けた場合、名古屋市には市独自の災害見舞金があります。

風水害、地震、火災などにより、居住している住宅が全壊、半壊、床上浸水などの被害を受けた世帯について、一定の見舞金を贈呈する制度です。

住宅被害単身世帯2人以上世帯
全壊・全焼・流失7万円9万円
半壊・半焼5万円7万円
床上浸水3万円5万円
消火冠水3万円5万円

今回の大雨との相性が特に高い制度:床上浸水でも対象となるため、名古屋市内で住宅浸水の被害を受けた世帯は、被災後に区役所へ確認する価値があります。

「レベル5が出た世帯に3万~9万円を一律給付」ではありません。実際に住家が全壊、半壊、床上浸水などの被害を受けたことが条件です。避難しただけ、停電しただけという理由で自動的に支給される制度ではありません。

床上浸水したら「片付ける前に写真」を撮る

被災後、泥や水を少しでも早く片付けたいところですが、安全が確保できているなら、片付け・修繕・取り壊しを始める前に被害状況を写真で残すことが非常に重要です。

名古屋市も、罹災証明書等のための建物被害認定調査に備え、次の写真を撮影・保存するよう案内しています。

建物の外

  • 建物全体を4方向から撮影
  • 被害箇所を撮影
  • 浸水した場合は、水がどの高さまで来たか分かる写真を撮影

建物の中

  • 被災した各部屋の全景
  • 床、壁、家財など被害箇所

撮影のために危険な住宅へ戻らないでください。写真は安全が確保された後で構いません。命より優先する手続きはありません。

給付・減免の入口になる「罹災証明書」

名古屋市では、暴風・豪雨・地震などの自然災害で住家に被害を受けた人から申請があった場合、建物被害認定調査を行い罹災証明書を交付します。

罹災証明書は、住家について「全壊」「半壊」など被害の程度を公的に証明するものです。

災害見舞金だけでなく、被災者向けの各種支援、税・保険料の減免、住宅支援などで必要になる場合があります。

国の「被災者生活再建支援金」は最大300万円

自然災害で住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯については、被災者生活再建支援制度が適用される場合があります。

内閣府によると、複数人世帯では住宅の被害程度と再建方法に応じて、最大300万円の支援金が支給されます。

支援区分主な支給額
全壊等の基礎支援金100万円
大規模半壊の基礎支援金50万円
住宅を建設・購入する場合の加算支援金最大200万円
補修する場合最大100万円
賃借する場合最大50万円

単身世帯はそれぞれ4分の3の額です。

今回の名古屋市大雨で最大300万円が確定したわけではありません。被災者生活再建支援法の対象となる自然災害であることに加え、住宅の被害程度など所定の条件を満たす必要があります。2026年9月8日19時台時点で、本記事では今回災害への同制度適用を確認できていません。

名古屋市にはさらに「災害援護資金」も

一定規模以上の災害では、住居・家財の被害などに応じ、生活再建のための災害援護資金を利用できる場合があります。

名古屋市の防災計画では、被害程度等に応じ150万円~350万円を限度とする貸付制度が案内されています。

ただし、これは「給付金」ではなく原則返済が必要な貸付です。また、対象災害・所得等の要件があります。

被災後に確認したいお金を整理

制度金額・内容性質
名古屋市災害見舞金床上浸水3万~5万円、半壊5万~7万円、全壊7万~9万円給付
被災者生活再建支援金一定要件で最大300万円給付
罹災証明書住家の被害程度を証明各種支援の手続きに使用
災害援護資金条件により150万~350万円まで貸付・原則返済必要

「浸水したら○万円確定」というSNS情報に注意

水害後には、「床上浸水なら○万円」「レベル5なら300万円」といった情報がSNSで拡散されることがあります。

しかし実際には、制度ごとに住宅被害の認定、災害の規模、世帯人数、再建方法など条件があります。

特に国の被災者生活再建支援金は、単に床上浸水しただけで最大300万円が出る制度ではありません。

名古屋市の災害見舞金と国の被災者生活再建支援金は別制度なので、混同しないことが重要です。

今夜は「給付金の確認」より命を守る行動を

この記事では被災後の公的支援も紹介しましたが、現在レベル5が発令されている地域では、給付制度を調べることより命を守ることが最優先です。

名古屋市公式サイトでは避難所開設情報や河川ごとの避難情報を随時更新しています。

安全な場所にいる人はその場にとどまり、危険な場所にいて外への移動が危険なら、少しでも高い場所・頑丈な建物へ移動してください。

この記事のポイント

  • 8日17時55分時点で名古屋市60万7,879世帯・117万2,102人にレベル5「緊急安全確保」
  • 18時20分には庄内川にもレベル5「氾濫特別警報」
  • レベル5は災害が発生・切迫している段階で、避難所への移動が危険な場合もある
  • 名古屋市には床上浸水で単身3万円、2人以上世帯5万円の災害見舞金がある
  • 半壊は5万~7万円、全壊等は7万~9万円
  • 被災後は安全確保後、片付け前に住宅被害の写真を残す
  • 罹災証明書は各種被災者支援の重要な入口
  • 被災者生活再建支援制度は対象災害・住宅被害等の条件を満たせば最大300万円
  • 今回の大雨に最大300万円支援が適用済みという意味ではない

よくある質問

Q:名古屋市全域にレベル5が出ているのですか?

名古屋市では河川や学区など対象地域ごとに緊急安全確保・避難指示が発令されています。「117万2,102人」という数字は8日17時55分時点で緊急安全確保の対象となった合計人数です。最新の対象地域は名古屋市公式の災害情報で確認してください。

Q:レベル5になったら避難所へ行けばいいですか?

外へ移動する方が危険な場合があります。レベル5はすでに災害が発生または切迫している段階です。安全な移動ができない場合は、建物上階への垂直避難など、その場でできる最善の安全確保をしてください。

Q:床上浸水したら名古屋市からお金が出ますか?

名古屋市の災害見舞金では、一定の要件を満たす床上浸水について、単身世帯3万円、2人以上世帯5万円が案内されています。実際の支給可否は被害認定等によります。

Q:大雨で家が浸水したら300万円もらえますか?

自動的にはもらえません。被災者生活再建支援制度が当該災害に適用され、住宅が全壊等の一定の被害要件を満たす必要があります。

Q:家を片付けてしまいました。罹災証明は取れませんか?

申請自体を諦める必要はありません。ただし被害状況を確認しやすくするため、名古屋市は片付け・修繕前の写真保存を推奨しています。すでに片付けた場合も区役所へ相談してください。

参照情報