2019年9月9日中小企業庁より、中小企業組合等課題対応支援事業の公募開始の発表がありました。
こちらは中小企業等が連携して取り組む事業に対して、経費の一部を補助するものです。
今回はこの大型補助金について解説していきます!
1.中小企業が単独で外部環境を変えるのは難しい
中小企業の現状を把握するため、SWOT分析と呼ばれる課題分析がよく用いられます。SWOT分析は中小企業の「強み」と「弱み」、「機会」と「脅威」をあぶり出し、現状をプロットしていくものです。
通常「強み」と「弱み」はその企業の内部環境(人、モノ、カネ、情報といったリソースなど)に基づき分析されます。
一方、「機会」「脅威」は外部環境に基づき分析されます。たとえば、今回の韓国へのホワイト国除外された品目を製造している日本の企業にとっては「脅威」であり、日本によりこれまで同品目を韓国に輸出できなかった企業にとっては「機会」かもしれません。
このように外部環境では、政治、経済、社会、技術といった自社単独ではコントロールできないマクロ要因、自社と売手・買手との力関係・業界内での競争状態・新規参入業者の動向・代替品(デジタルカメラに対するスマートフォン等)によるミクロ環境状況を分析します。
経営資源に限りのある中小企業では、単独で自ら外部環境に働きかけて「脅威」を回避し、「機械」を手繰り寄せるといった手法は難しいです。
そのため、どうしても外部環境を変える必要がある場合は、複数の中小企業が連携する必要が生じます。
2.中小企業の連携で外部環境を変えた実例
熊本阿蘇の黒川温泉街はかつて団体客向けに栄えていましたが、企業の団体利用がなくなり寂れてしまいました。
そのため、ライバル同士が協力して共通札を発行することで、複数の旅館の温泉を気軽に楽しむことができるといった新しい企画を打ち出すことにしました。
これによって、泊まる温泉宿1箇所の温泉しか味わえなかったものが、他の旅館の温泉も楽しめるようになり、以前よりさらに高い人気を博すようになりました。
このように、一つの企業ではコントロールできない外部環境も、他の企業や組織と連携することで変えることが可能となります。
3.中小企業組合等課題対応支援事業とは
中小企業組合等課題対応支援事業は、ブランド化戦略、既存事業分野の活力低下、技術・技能の承継の困難化、環境問題等に対し、中小企業組合等で連携して取り組む事業に対し、補助金を交付しています。
通常、多くの団体が連携する場合、中心となって全体を引っ張っていく人(企業)がいないと成功しないと言われています。
しかし、この補助金では各都道府県の中小企業団体中央会の指導員が、事業の計画から実施、成果の活用まで一貫してサポート(伴走型支援)することで、こうしたリスクを低減し、実現性を高めてくれます。
事業は以下3つに分かれます。
(1)中小企業組合等活路開拓事業
中小企業組合等が事業環境の改善等を目指し行う将来ビジョンの策定や展示会出展等の取組を支援
補助上限額:500万円~2000万円
(2)組合等情報ネットワークシステム等開発事業
中小企業組合等がIT活用による経営革新を推進するための情報システム開発などのプロジェクトを支援
補助上限額:1158万8千円~2000万円
(3)連合会(全国組合)等研修事業
全国地区の連合会等が抱える課題解決などにつなげるために実施する研修プロジェクトを支援
補助上限額:210万円
募集期間は
令和元年9月9日(月)~令和元年9月30日(月)
となります。
どうしても避けたい「脅威」や手繰り寄せたい「機会」がある場合は、是非この補助金を活用して複数の企業と協力してチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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