「家賃が払えない」「失業して収入がなくなった」「休業で給料が大きく減った」――。そんなときに確認したいのが、国の生活困窮者自立支援制度に基づく住居確保給付金です。

一定の要件を満たす人に対し、自治体が家賃相当額を原則3か月、条件を満たせば最長9か月まで支給します。支給上限は自治体や世帯人数によって異なりますが、東京23区の例では3~5人世帯で月69,800円。つまり「最大月約7万円」の家賃支援を受けられる地域があります。

重要:全国一律で「1人7万円の現金給付」ではありません。上限額は地域・世帯人数で異なり、家賃分は原則として本人の口座ではなく、自治体から大家・管理会社などへ直接支払われます。

住居確保給付金とは?

主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内、または本人の責任・都合によらず給与等を得る機会が離職・廃業と同程度まで減少し、一定の収入・資産・求職活動要件を満たす場合に利用できる制度です。

最大月約7万円?東京23区では3~5人世帯で69,800円

上限額は生活保護制度の住宅扶助額を基準に自治体ごとに設定されます。2026年8月更新の渋谷区では以下のとおりです。

世帯人数家賃支給上限額
1人53,700円
2人64,000円
3~5人69,800円

地域差があります:大阪市では2026年時点で、単身4万円、2人4万8,000円、3~5人5万2,000円などが上限です。

実際にもらえる額は家賃満額とは限らない

世帯収入が基準額以下なら、上限の範囲内で実際の家賃額が支給されます。基準額を超える場合は、概ね「基準額+家賃額-世帯収入額」で計算し、住宅扶助額が上限となります。

支給期間は原則3か月、最長9か月

初回は原則3か月。求職活動などを継続し、収入・資産要件を満たしている場合は3か月ごとに延長され、最大9か月となる場合があります。

お金は本人に振り込まれる?原則NO

家賃相当分は、原則として自治体から賃貸住宅の貸主、管理会社、家賃保証会社などへ直接支払われます。自由に使える生活費として本人の口座へ毎月入る制度ではありません。

制度の目的:生活費全般を支給するのではなく、家賃滞納から住まいを失うことを防ぎ、就労・家計再建につなげることです。

失業者だけではない 休業・シフト減・売上減も対象になり得る

  • 勤務日数やシフトが大幅に減った
  • 会社都合などで給与が急減した
  • 自営業の売上が大幅に落ちた
  • 休業や取引減少で離職と同程度の状況になった

こうしたケースでも、本人の責任・都合によらない収入減であれば対象になり得ます。

主な条件① 収入要件

直近の世帯収入が、自治体ごとに定める基準額と家賃額の合計以下であることが基本です。渋谷区の例では、1人世帯の基準額92,000円、収入基準額145,700円、2人世帯は139,000円・203,000円などとなっています。

主な条件② 資産要件

預貯金等が自治体基準の範囲内であることも必要です。厚生労働省では、基準額の6か月分かつ100万円を超えない額を基本としています。渋谷区の例では1人552,000円、2人834,000円、3人以上1,000,000円が上限です。

主な条件③ 求職活動

家賃補助の受給中は原則として求職活動が必要です。厚生労働省の案内では、自立相談支援機関との面接、ハローワークでの職業相談、企業への応募などが求められます。自営業者は一定の場合、経営改善活動で代替できることがあります。

2025年4月から「引越し費用」も給付対象に

収入が著しく減り、今の家賃では家計が立て直せず、より家賃の安い住宅への転居が必要と認められる場合は、転居費用も対象になりました。

  • 家財の運搬費用
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 家賃債務保証料
  • 住宅保険料
  • 鍵交換費
  • 原状回復費用の一部

対象外:敷金、前家賃、家具・家電の購入費などは原則対象外です。

転居費用はいくら?東京23区では30万円前後も

渋谷区の2026年7月時点では、転居費用支給上限は単身279,200円、2人300,000円、3人324,000円、4人344,000円、5人364,000円です。

申請先は「自立相談支援機関」

住居確保給付金の申請・相談は、最寄りの自立相談支援機関で受け付けています。厚生労働省の公式サイトでは地域別に相談窓口と支給上限額を確認できます。「自分が対象かわからない」という段階でも相談できます。

生活費も厳しいなら、ほかの支援も同時に確認

住居確保給付金は家賃中心の制度です。食費、光熱費、医療費まで不足している場合は、自立相談支援機関で家計改善支援、求職者支援制度、生活福祉資金貸付、生活保護、自治体独自の給付・減免なども確認しましょう。

この記事のポイント

  • 住居確保給付金は家賃の支払いが厳しい人向けの現行制度
  • 全国一律「月7万円の現金給付」ではない
  • 東京23区の例では3~5人世帯で月69,800円が上限
  • 単身世帯は東京23区の例で上限53,700円
  • 支給は原則3か月、条件次第で最長9か月
  • 家賃分は原則として貸主・管理会社等へ直接支給
  • 離職だけでなく、本人の責任によらない大幅な収入減も対象になり得る
  • 2025年4月から低家賃住宅への転居費用も補助対象
  • 申請・相談の入口は自立相談支援機関

よくある質問

Q:住居確保給付金は月7万円もらえますか?

地域・世帯人数によって異なります。東京23区の例では3~5人世帯で月69,800円が上限ですが、単身は53,700円です。

Q:現金が自分の口座に振り込まれますか?

家賃相当分は原則として自治体から貸主・管理会社などへ直接支払われます。

Q:何か月もらえますか?

原則3か月で、要件を満たせば最長9か月まで延長される場合があります。

Q:会社を辞めていなくても対象ですか?

本人の責任・都合によらず仕事や収入が大きく減り、離職・廃業と同程度の状況なら対象となり得ます。

Q:引越し代も出ますか?

2025年4月から、家計改善のため家賃の安い住宅への転居が必要と認められた場合、引越し費用や礼金、仲介手数料等の一部が対象になりました。

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