44歳でも、まだ終わらない。

J1歴代最多191得点を誇る元日本代表FWの大久保嘉人さんが、2021年の引退から約5年を経て、再び選手としてピッチに戻ることになりました。

大久保さんは2026年9月7日、自身のSNSを通じ、現在の生活拠点であるスペイン・バルセロナの地元ベテランチームからオファーを受け、現役復帰することになったと報告しました。

しかも復帰初戦となったリーグ開幕戦では、いきなり1ゴール1アシスト。チームの勝利に貢献し、44歳とは思えないスタートを切っています。

「40代になったら新しい挑戦は難しい」「今さら転職や資格取得をしても遅い」と感じる人も少なくありません。しかし、日本には40代・50代、そして60代以降の再就職や学び直しを後押しする公的な給付制度があります。

重要:大久保嘉人さんが以下の給付制度を利用しているという意味ではありません。本記事では、大久保さんの44歳での再挑戦をきっかけに、一般の中高年が一定の条件を満たした場合に利用できる公的制度を紹介します。

大久保嘉人が44歳で現役復帰!初戦から1ゴール1アシスト

大久保嘉人さんは1982年6月9日生まれ。2026年9月現在、44歳です。

国見高校から2001年にセレッソ大阪へ加入。その後はスペインのマジョルカ、ドイツのヴォルフスブルク、ヴィッセル神戸、川崎フロンターレ、FC東京、ジュビロ磐田などでプレーしました。

J1では通算191得点を記録し、現在も歴代最多記録を保持。川崎フロンターレ時代には2013年から2015年まで史上初の3年連続得点王に輝いています。

日本代表でも国際Aマッチ60試合に出場し、2010年南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯などでプレーしました。

2021年シーズン限りで現役を引退しましたが、その約5年後、44歳になって再び公式戦のピッチに立つことになりました。

「バルセロナのチーム加入」はFCバルセロナではない

今回のニュースで注意したいのが、「バルセロナのチーム」=FCバルセロナではないという点です。

大久保さん自身の説明によると、加入したのは、現在暮らしているバルセロナの地元のベテランチームです。

スペインの名門FCバルセロナに44歳で加入したというニュースではありません。

ちなみに:大久保さんは2026年、バルセロナを拠点とする「FC Sol Naciente(ソル・ナシエンテ)」というクラブの立ち上げにも携わっており、日本人ストライカーの育成など新たな活動にも取り組んでいます。

復帰初戦でいきなり「1G1A」

大久保さんによると、土曜日に行われたリーグ開幕戦に出場し、チームは勝利。

自身も1得点1アシストを記録しました。

2021年に39歳でプロ選手として引退してから約5年。競技レベルやカテゴリーはJリーグ時代とは異なるものの、44歳で再びシーズンを通して選手として戦うという挑戦は、多くの中高年にとっても印象的なニュースといえます。

44歳はまだ遅くない?中高年の「再挑戦」を国も支援

スポーツ選手に限らず、40代以降になると仕事でも大きな転機を迎えることがあります。

  • 今の仕事を続けるべきか迷っている
  • 未経験業界へ転職したい
  • 資格を取得したい
  • IT・デジタルスキルを身につけたい
  • 定年後も収入を確保したい
  • 60代になって賃金が下がった

こうした人が確認したいのが、雇用保険を中心とした教育・再就職・継続雇用のための給付制度です。

①資格・学び直しに「教育訓練給付金」|最大80%

中高年のキャリアチェンジで特に利用価値が高いのが、厚生労働省の教育訓練給付制度です。

雇用保険への加入期間など一定の要件を満たす人が、厚生労働大臣指定の講座を受講した場合、受講費用の一部が支給されます。

対象講座には、IT・デジタル、介護、医療、会計、法律、専門資格、大学院など幅広い分野があります。

一般教育訓練給付金

対象となる教育訓練を修了すると、教育訓練経費の20%、上限10万円が支給されます。

特定一般教育訓練給付金

再就職や早期のキャリア形成に役立つ指定講座の場合、教育訓練経費の40%、上限20万円

さらに資格取得などの条件を満たし、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として就職した場合には、合計で50%、上限25万円まで給付されます。

専門実践教育訓練給付金は最大80%

より専門性の高い教育訓練については、さらに手厚い支援があります。

段階 給付割合 年間上限
受講中・修了時の基本給付 50% 40万円
資格取得+就職等 70% 56万円
さらに受講後の賃金が5%以上上昇 80% 64万円

40代・50代で「今さら高い学費を払って勉強するのは厳しい」と考えている人ほど、一度確認しておきたい制度です。

注意:すべての資格学校・講座が対象になるわけではありません。受講前に厚生労働大臣指定講座かどうかを確認してください。専門実践教育訓練では、原則として受講開始前の受給資格確認なども必要です。

②44歳なら注目?失業中の学び直しを支える「教育訓練支援給付金」

今回の大久保嘉人さんと同じ44歳という年齢に関連して、知っておきたい制度があります。

それが教育訓練支援給付金です。

失業状態にある人が初めて専門実践教育訓練を受講する場合、受講開始時に45歳未満など一定の条件を満たせば、訓練中の生活費を支える給付を受けられる場合があります。

2025年4月以降に受講を開始した対象者については、原則として雇用保険の基本手当日額の60%相当が支給されます。

2026年度末までの暫定措置とされています。

44歳なら誰でも対象ではありません:年齢だけで決まる制度ではなく、失業状態、雇用保険の加入歴、専門実践教育訓練の受講状況など複数の条件があります。また、大久保さん本人が対象という意味ではありません。

③仕事を変えたい人は「月10万円」|求職者支援制度

雇用保険の失業給付を受けられない人でも、転職や再就職を目指す場合に利用できるのが求職者支援制度です。

一定の条件を満たせば、無料の職業訓練を受けながら、

  • 職業訓練受講手当:月10万円
  • 通所手当
  • 一定の場合の寄宿手当

などを受給できます。

中高年も対象になり得る

この制度は「20代限定」などではありません。

例えば、

  • 雇用保険の適用がなかった離職者
  • 雇用保険の失業給付が終了した人
  • フリーランス・自営業を廃業した人
  • 低収入のパートから正社員転職を目指す人

などが対象になる可能性があります。

40代・50代で未経験職種に挑戦する人にとっても利用可能性があります。

「40代なら月10万円」ではありません。給付を受けるには本人収入・世帯収入・金融資産などの要件や、職業訓練への出席などの条件があります。

④60~64歳で給料が下がったら「高年齢雇用継続給付」

60歳を過ぎても働き続ける人に確認してほしいのが高年齢雇用継続給付です。

原則として、

  • 60歳以上65歳未満
  • 雇用保険の一般被保険者
  • 雇用保険の被保険者期間が5年以上
  • 60歳到達時などの賃金と比べ、現在の賃金が75%未満まで低下

といった条件を満たした場合に給付されます。

2025年4月1日以降に60歳到達などの受給資格を満たす人については、賃金低下率に応じ、各月に支払われた賃金の最大10%が支給されます。

例えば月30万円→18万円になったら?

厚生労働省が示す例では、60歳時点の賃金月額が30万円で、支給対象月の賃金が18万円まで低下したケースでは、条件を満たせば月18,000円の給付例が示されています。

定年後の再雇用などで賃金が大きく下がった人は確認する価値があります。

⑤65歳以上で離職したら「高年齢求職者給付金」

「65歳を超えたら失業給付は一切ない」と思っている人もいるかもしれません。

65歳以上の雇用保険被保険者が離職して求職する場合には、一定の条件を満たすと高年齢求職者給付金を受けられます。

通常の基本手当のように毎月受け取る方式ではなく、原則として一時金です。

雇用保険の被保険者期間 給付額
6か月以上1年未満 基本手当日額の30日分
1年以上 基本手当日額の50日分

65歳以降も「まだ働きたい」と考えている人の再就職を支える制度です。

40代・50代・60代、それぞれ何を確認すればいい?

状況 確認したい制度 主な支援
40~50代で資格を取りたい 教育訓練給付金 受講費用の最大80%
45歳未満・失業中に専門的に学びたい 教育訓練支援給付金 基本手当日額の60%相当など
雇用保険の失業給付を受けられず転職したい 求職者支援制度 月10万円+無料職業訓練
60~64歳で賃金が大幅に低下 高年齢雇用継続給付 賃金の最大10%
65歳以上で離職し再就職したい 高年齢求職者給付金 基本手当日額30日分または50日分

中高年の「学び直し」は受講する前の確認が重要

教育関連の給付金で特に注意したいのが、「先に申し込んでから給付金を調べる」では遅い場合があることです。

例えば専門実践教育訓練給付金では、受講開始前にキャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作成したうえで、原則として受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認を行う必要があります。

数十万円から数百万円する講座を契約してから「実は給付対象外だった」と判明すると、家計への影響は大きくなります。

資格取得やリスキリングを考えたら、まず最寄りのハローワークで「この講座は教育訓練給付の対象ですか?」と確認するのが安全です。

44歳での復帰が示した「年齢だけで諦めない」という選択

大久保嘉人さんの今回の復帰は、Jリーグや日本代表に再び戻るという意味でのプロ復帰ではありません。

それでも、39歳で一度スパイクを脱いだ選手が、44歳になって再びリーグ戦へ出場し、初戦から1ゴール1アシストという結果を残したことは印象的です。

会社員でも同じように、40代・50代になると「もう転職は無理」「新しい資格を取るには遅い」と考えがちです。

しかし、公的制度の中には、むしろ働きながらの学び直しや、中高年の再就職、60代以降の就業継続を想定したものがあります。

年齢だけで諦める前に、自分が利用できる制度を調べてから次の選択肢を考えることが重要です。

この記事のポイント

  • 元日本代表FW大久保嘉人さんが44歳で現役復帰
  • 加入したのはFCバルセロナではなく、バルセロナの地元ベテランチーム
  • 復帰初戦から1ゴール1アシストを記録
  • 大久保さんはJ1歴代最多191得点、3年連続得点王の実績を持つ
  • 中高年の学び直しには教育訓練給付金があり、条件次第で費用の最大80%
  • 失業中で45歳未満などの条件を満たせば教育訓練支援給付金もある
  • 雇用保険を受けられない求職者等は月10万円の求職者支援制度を利用できる場合がある
  • 60~64歳で賃金が大幅に下がった人は高年齢雇用継続給付を確認
  • 65歳以上の離職者には高年齢求職者給付金がある

よくある質問

Q:大久保嘉人さんはFCバルセロナに加入したのですか?

いいえ。本人の発表では、バルセロナで暮らしている地域のベテランチームからオファーを受けて現役復帰したとしています。FCバルセロナ加入ではありません。

Q:44歳でも月10万円の給付金をもらえますか?

年齢だけでは決まりません。求職者支援制度では、雇用保険の状況、本人・世帯収入、資産、求職状況などの条件を満たす必要があります。

Q:40代の会社員でも教育訓練給付金を利用できますか?

雇用保険の加入期間などの受給要件を満たし、厚生労働大臣指定の講座を受講する場合には対象となる可能性があります。

Q:「最大80%」なら100万円の講座で80万円もらえますか?

必ずしもそうではありません。専門実践教育訓練給付金には年間上限があり、80%給付の場合は年間64万円が上限です。また、資格取得・就職・賃金上昇などの条件があります。

Q:44歳なら教育訓練支援給付金を必ず受けられますか?

いいえ。受講開始時45歳未満という年齢要件は条件の一つにすぎません。失業状態であることや初めて専門実践教育訓練を受講することなど、別の要件もあります。

Q:60歳になったら高年齢雇用継続給付を全員もらえますか?

いいえ。60歳以降の賃金が60歳到達時などの75%未満まで低下し、雇用保険の加入期間などの条件を満たす必要があります。

Q:65歳を過ぎても失業したときに給付はありますか?

一定の条件を満たせば、高年齢求職者給付金として基本手当日額の30日分または50日分が一時金として支給される場合があります。

公式・参考情報

  • Jリーグ公式:大久保嘉人選手の2021年現役引退発表・J1通算記録
  • 大久保嘉人公式SNS:2026年9月の現役復帰報告
  • スポーティングニュース:大久保嘉人44歳での現役復帰・初戦1G1A
  • 厚生労働省:教育訓練給付金
  • ハローワークインターネットサービス:教育訓練支援給付金
  • 厚生労働省:求職者支援制度
  • 厚生労働省:高年齢雇用継続給付
  • 厚生労働省:高年齢求職者給付金