中・低所得者を対象とする「新たな現金給付制度」が、さらに具体化してきました。

政府は2026年9月8日、「給付付き税額控除」に関する国と地方の第3回協議を開催。2027年度から先行導入する所得連動型の現金給付について、給付に必要な財源の3分の2以上を国が負担する案を地方側へ提示しました。

残りの地方負担分は、都道府県と市町村が半分ずつ負担する案です。ただし2027年度と2028年度については、政府が地方負担相当額を特別交付金で補填する考えを示しており、さらに制度導入に必要な事務費・システム改修費も国費で全額負担する案となっています。

重要:「国が3分の2以上負担」とは、国民一人ひとりの給付額の3分の2を国が払うという意味ではありません。制度全体の財源を国・都道府県・市町村でどう分担するかという話です。

政府案を一覧|誰がどれだけ負担する?

項目政府案
給付財源の3分の2以上
地方残りを負担
都道府県地方負担分の2分の1
市町村地方負担分の2分の1
2027・2028年度地方負担相当額を特別交付金で補填する案
事務費・システム改修費導入時は国費で全額措置
最終決定未決定。協議継続

「国3分の2以上」なら地方は最大3分の1

仮に国がちょうど3分の2を負担すると、残る3分の1以下を地方が負担します。地方負担を都道府県と市町村が半分ずつ担うため、単純計算では国約66.7%、都道府県約16.7%、市町村約16.7%というイメージです。

ただし、政府案は「3分の2以上」であり、実際の国負担率がさらに高くなる可能性があります。

2027・28年度は地方負担相当を国が補填

移行期間となる2027・2028年度は、政府がすべての自治体に対して地方負担相当額を特別交付金で補填する案を示しました。

つまり形式上は国・地方で負担割合を設定しつつ、最初の2年間は地方財政への実質的な負担を国が手当てする方向です。

不交付団体にも対応:地方交付税を通常受け取らない自治体についても、負担額に相当する特別交付金で手当てする方向が報じられています。

地方側はまだ了承していない

9月8日の協議では、地方側から「制度の全体像や恒久的な財政措置が不透明な中で地方負担の結論を出すことは困難」といった声が上がりました。

給付対象者、給付規模、2029年度以降の恒久財源、自治体の実務負担などがまだ十分に見えていないためです。

したがって:「国3分の2・地方3分の1で正式決定」と断定するのはまだ早く、現時点では政府の提示案です。

そもそも「新たな現金給付制度」とは?

政府が進めているのは、所得に応じて給付額を調整する「所得に連動したきめ細かな給付」です。

主に中・低所得の現役勤労者の手取りを増やし、「年収の壁」による働き控えを緩和することを目的としています。

9月8日の内閣官房資料では、飲食料品の消費税率引下げと合わせる給付について「就業者負担軽減支援金」という名称を含む大綱案が提示されています。

2027年4月から食料品の消費税は8%→1%へ

政府は、2027年4月1日から2年間、軽減税率対象の飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げる基本方針を決定しています。

さらに、飲食料品の消費税1%相当分の範囲内で所得連動給付を先行導入し、中・低所得者について全体として食料品の消費税負担を実質ゼロ化する考えです。

「消費税0%」ではありません。税率そのものは1%で、対象者への現金給付を組み合わせる方式です。

現金給付はいつから?

食料品の税率引下げは2027年4月1日から予定されています。一方、現金給付は2027年度に先行導入する方針で、高市総理は2026年7月30日の会見で、公的機関が持つ所得情報を使えば2027年6月以降の先行導入が可能との説明をしています。

時期予定
2027年4月1日食料品消費税率8%→1%
2027年度所得連動型の現金給付を先行導入
2027年6月以降政府説明上、先行導入が可能となる時期の目安
2028年度つなぎ給付を継続予定
2029年度本格的な所得連動給付へ

1人いくら?年収いくらまで?まだ未定

2026年9月9日時点で、1人あたりの最大給付額、年収上限、給付が減り始める所得ライン、子ども加算などの具体額は正式決定していません。

SNSなどで「1人○万円」「年収○万円まで」といった情報を見ても、政府の正式資料に基づくものか確認する必要があります。

誰が対象?「中低所得の現役勤労者」が中心

政府の基本方針では、中・低所得の現役勤労者を中心に設計しています。給与所得者だけでなく、制度設計次第では個人事業主やフリーランスなども関係する可能性があります。

一方、就労していない高齢者や、給付対象から外れる低所得者については、年金や既存の社会保障制度との関係を含めて別途対応を検討するとされています。

2029年度から本格制度へ

2027・28年度の給付は「つなぎ」で、2029年度から所得に応じて給付額をきめ細かく調整する本格制度へ移行する方針です。

政府の大綱案では、2029年4月に食料品の消費税率を1%から8%へ戻す際、家計負担が先行しないよう、年間給付の半年分相当を4月に前倒しし、残りを秋に支給する案も示されています。

今後の注目ポイント

  1. 国・地方の負担割合が正式合意するか
  2. 1人あたり給付額がいくらになるか
  3. 年収基準・対象範囲がどう決まるか
  4. 初回支給日がいつになるか
  5. 2029年度以降の恒久財源をどう確保するか

この記事のポイント

  • 9月8日、給付付き税額控除をめぐり国と地方が第3回協議
  • 政府は新たな現金給付の財源を国が3分の2以上負担する案を提示
  • 残る地方負担分は都道府県と市町村が半分ずつ負担する案
  • 2027・28年度は地方負担相当を特別交付金で補填する方針案
  • 制度導入時の事務費・システム改修費は国費で全額措置する案
  • 地方側は制度規模・対象・恒久財源が不明として合意せず
  • 食料品消費税は2027年4月から2年間8%→1%へ引下げ予定
  • 現金給付は2027年度に先行導入予定
  • 2029年度に所得連動給付を本格導入予定
  • 1人あたり給付額・所得基準はまだ未定

よくある質問

Q:国が3分の2以上負担なら、私も収入の3分の2をもらえますか?

いいえ。3分の2以上は国と地方の財源負担割合です。個人の給付率ではありません。

Q:新しい給付金はいくらですか?

2026年9月9日時点で具体額は未定です。

Q:誰が対象ですか?

中・低所得の現役勤労者を中心に設計されていますが、具体的な所得ラインは未定です。

Q:いつからもらえますか?

2027年度に先行導入する方針です。政府は2027年6月以降の先行導入が可能と説明しています。

Q:国3分の2・地方3分の1で決定したのですか?

いいえ。9月8日に政府が示した案で、地方側とは協議継続中です。

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