助成金なうでは、自治体のご担当者を対象にして、現在、力を入れている取組や助成金・補助金について詳しくお伺いしております。

自治体・財団の取組や担当者の想いを地域の事業者様へ周知し、興味・関心を持ってもらうことで、その地域の活性化に貢献することを目的としています。

今回は、広島県商工労働局県内投資促進課黒木様・満永様・道路様にインタビューさせていただきました。


Q1.現在所属されている部署の業務について教えてください。

所属部署は、広島県商工労働局県内投資促進課です。
基本的には、県内への企業立地、投資促進、既存企業の振興等に係る業務を行っております。
私たちは、助成金の担当をしており、具体的には「企業立地促進助成制度」のご案内、申請サポート、オフィス物件のご紹介、企業の皆様が活動を始めるための準備を包括的にサポートしております。


Q2.今回、弊社のインタビューを受けていただいた理由を教えてください。

広島県では、新しい産業が生まれ育ち、社会経済情勢などに柔軟かつ的確に対応できる「イノベーション立県」の実現に向けて、挑戦の場として多様な企業の皆様を受け入れる環境を整えるとともに、様々な助成制度などにより、国内外の企業の誘致や既存企業の付加価値向上のための投資促進を行っています。
展示会で御社(ナビット様)と名刺交換させていただいた出会いをがきっかけなのですが、このインタビューを通じて、広島県の企業誘致や投資促進に関する取組、国内トップレベルの手厚い助成制度を多くの企業の皆様に知っていただき、広島県への進出や拠点性強化をご検討していただきたいという思いがございます。


Q3.広島県の魅力を教えてください。

広島県は、中国地方最大の都市である広島市を擁し、近畿、九州、四国へのアクセスの要であり、陸路だけでなく、空路もあり、海運拠点も豊富なため、人の移動や物流にも高い利便性を発揮しています。また、地震などの災害リスクが低く、BCP対策に適していることから、西日本の拠点として魅力があります。
また、広島県の産業はとても多彩で、世界屈指の独自技術を持つオンリーワン企業や、全国的・世界的に高いシェアを持つナンバーワン企業が数多く存在しています。
また、生成AIに必要不可欠な世界最先端のメモリー半導体を開発・量産するマイクロンメモリジャパンも、ここ広島県にあります。


Q4.現在、特に使われている助成金を教えてください。また、力を入れている理由や、背景も教えてください。

まず、デジタル系企業を中心としたオフィス系の助成制度としては、「企業人材転入助成」と「地域活力創出型オフィス誘致促進助成」をよくご活用いただいています。
「企業人材転入助成」では、人材と本社機能に着目し、『1社最大1億円』の助成を打ち出しています。経営者の方や社員の方、そしてそのご家族の転入や、会社の初期コストに対して支援をしており、”社員のご家族にまで支援をする”というのは広島県が初の試みで、ユニークな取組として注目されています。
また、「地域活力創出型オフィス誘致促進助成」では、広島県に移転された際のオフィス賃料を、市町と一緒に助成をしております。市や町によりますが、県と市町で半分ずつ、最大10年間全額助成できるエリアもあります。
これらの助成は、企業の初期コストを大きく抑えるとともに、「広島県に住み、働いて良かった」と思っていただけるよう、転入される方々の私生活の充実にもつなげる制度となっております。

次に、工場・設備投資系の助成制度としては、「先端・成長産業集積助成」や「大規模産業集積助成」「産業集積助成」などをよくご活用いただいています。
「先端・成長産業集積助成」では、健康・医療、環境・エネルギー、半導体といった先端・成長分野の製品製造のための建物や設備への投資について、最大50億円を助成します。
特に、令和7年度からは新たに半導体関連の部署が設置され、半導体の関連産業の集積に向けて更に力を入れるところであり、こうした先端成長産業の育成を支援するため、当課(県内投資促進課)は、県庁内の各部署をおつなぎするワンストップ窓口としてもご活用いただいております。

また、「大規模産業集積助成」「産業集積助成」では、生産設備等への投資に対する支援で、最大10億円助成します。この助成を通じて、新たな企業の誘致だけでなく既存企業の拠点性の強化を目指しています。
この助成制度で注目していただいたい点は、令和7年度からAI、IoT、ロボット化などの生産性向上につながる投資に対して雇用要件を撤廃したことです(従前は雇用の維持が最低条件)。人口減少が進み人材確保が難しい中で、省人化に向けた投資を加速していただくために見直しを行い、より活用しやすくなりました。

■広島県企業立地促進助成制度の概要|各種支援・助成制度
https://kurukuru.hiroshima.jp/system/#companylocation


Q5.先ほどご回答いただいた助成金案件はどのような方におすすめですか?また、どのような事業者様からのご応募に期待されていますか?

広島県で新しいチャレンジをしたい・チャレンジし続けたいと考える企業様にぜひご活用いただきたいです。
業種等で言えば、オフィス系助成では県外のデジタル系企業やスタートアップ企業の方、工場・設備投資系助成では製造業を中心とした企業の方です。
オフィス系誘致に関しては、イノベーション創出に向けて実証支援をする「ひろしまサンドボックス」、広島から企業価値が高く急成長するユニコーンのような企業を10年で10社創出する「ひろしまユニコーン10」プロジェクトなどに取り組んでおり、デジタル企業様からの注目は集まっていますので、助成制度が広島進出の後押しになればと思っています。

また、工場系誘致では、半導体大手の製造・研究開発拠点が県内にある強みを活かし集積を図る半導体関連企業様からの活用も期待しているところです。


Q6.助成金の申請状況はいかがでしょうか?

オフィス系及び工場・設備投資系の助成制度ともに、目標を上回る企業の皆様にご活用いただいている状況です。
その結果、平成28年度から今までに200社を超えるデジタル系などの企業様の進出サポートや、直近10年間で300社以上の企業の皆様の助成制度を活用した立地・設備投資のサポートをさせていただいております。


Q7.申請のサポートは訪問しておこなわれることもあるのでしょうか?

課の中で、県内のエリアに分けた担当者を配置しております。お問い合わせがあれば、担当者がすぐにご連絡し、ご要望に応じて訪問やオンライン面談させていただきます。
助成金申請に関しては、担当者が伴走しながら申請書類を一緒に作り上げていくという感じでサポートさせていただきます。


Q8.広島県 商工労働局 県内投資促進課の補助事業は助成額が大きいという特徴を感じています。企業様からは助成事業に関してどのようなお声をいただいていますか?

本県としては他県に先んじて充実したご支援メニューをご提供できているという自負がございます。
また、企業様からは、当課の担当者が”チャレンジを応援する”というマインドを持ち、企業様に寄り添ったサポートすることに魅力を感じていただいております。助成金額もさることながら、我々の協力体制やマインドの部分について「広島県は他とは違う」と言っていただけるよう日々努力しているところです。
実際に広島県に拠点を置かれた企業様が、また次の企業様を口コミで呼んでいただき、企業様同士が自ら動いて集まってきてくださっています。企業活動の方でも経営層の方たちが県内ですぐに結びついて新規事業を立ち上げたりと、私たちが目指す好循環が、徐々に出来上がりつつあるのかなと感じております。


Q9.立地後でも地域のエリア担当の方がサポートしてくださるのでしょうか?

はい、そうです。広島県では立地された後のフォローを誘致時以上に大事にしていると自負しております。ものづくり県として、教育県として、高度な人材も育ってきている土壌があるので、人材のマッチング、企業様同士がコラボレートできる場を提供する・おつなぎするということに意識を持って、定期的に事業の進捗や発展具合はどうですかということでご訪問させていただいております。


Q10.広島県企業立地促進助成制度はすでに立地されている企業様も対象になるのでしょうか?

工場・設備投資系の「先端・成長産業集積助成」や「大規模産業集積助成」「産業集積助成」などについては、すでに立地されていても、工場を拡張されるまたは工場内に新設備を導入される場合でも対象になります。(ただし、県内初立地と既立地の場合で助成率に違いがございます。)


Q11.いくつかのメニューがあり、他のメニューの対象になってくるケースもあるかと思いますが、併用して申請することは可能でしょうか?

工場・設備投資系の「先端・成長産業集積助成」や「大規模産業集積助成」「産業集積助成」などの助成メニューは、同じ敷地内への投資であっても、それぞれ条件を満たせば、およそ5年ごとに1回ずつ利用していだだくことができ、場合によっては、対象を明確に分けた上で併用が可能ですので、ぜひご相談ください。


Q12.年々申請される企業数が増えているとお聞きしましたが、何か要因があるのでしょうか?

広報・PRだけでなく、職員が企業様を訪問して何かお困りごとがありませんかというような声掛けを多くさせていただいていること、また実際に助成金など県のサポートを活用していただいた企業様から口コミで広げていただいているということが大きいと考えています。進出・拡充の後も、企業様とのコミュケーションを絶やさず、引き続きご支援をを継続させていただく姿勢を常に心がけています。


また、特に、オフィス系誘致に関しては、実際の企業訪問によるリアルな誘致活動に加えて、ウェブサイトやSNSを活用したデジタルマーケティングの手法も取り入れていることもあるかもしれません。デジタル系企業の皆様には、本県のウェブサイトやSNS情報をきっかけに、広島への移転・拠点設置に関心を持っていただけるケースが少なくありません。


Q13.助成金をご案内するページ(ホームページ)を作成するうえでこだわった点、工夫をした点はございますか?

本県の企業誘致サイトは「Hi!HIROSHIMA」という名称でして、広島県のビジネス環境の良さや助成制度をただ紹介するだけのサイトではなく、「広島県が提供できる価値は○○です!」「まずは気軽に『Hi』からはじめませんか?」といった広島県を知っていただくためのメッセージ性のあるコンテンツ作りを意識しています。あわせて、助成金情報についても「最大1億円のサポート」など企業の皆様に目を留めていただきやすいコピーを付けるとともに、広島県に関心を持たれた企業様の意志決定の後押しとなるよう、我々の熱意が滲み出る情報発信を行っています。

■広島県公式note | Hi!から始まる広島県の新プロジェクト始動します
https://hiroshima-pref.note.jp/n/n01970fc7ff37

■広島県企業誘致HP「Hi!HIROSHIMA」|トップページ
https://kurukuru.hiroshima.jp/

■広島県企業誘致HP「Hi!HIROSHIMA」|オフィス誘致助成制度ページ
https://kurukuru.hiroshima.jp/support/officelab/


Q14.事業者様にお伝えしたいことがあれば一言お願いいたしします。

(満永様)
広島県は西日本の中心に位置し、アクセスの要であり、災害リスクも低い環境にあるだけでなく、国の機関や大学、高専、産業の歴史の中で培われた企業人材の育成環境など、人材の面でのビジネスインフラも充実しています。そして、新しいチャレンジを後押しする仕組みがあり、新しいことに挑戦するためのビジネス圏域の規模感もありつつ、他社・他業種との共創がしやすいコンパクトさも兼ね備えています。さらには都市と自然が隣接し、ビジネスや人材が根付く上での重要なファクターであるウェルビーイングに溢れている土地でもあると考えています。
ビジネスの発展とウェルビーイングな暮らしを望んでいらっしゃる企業様や働く皆様に、ぜひ広島県をお選びいただき、イノベーションを創出していく仲間として一緒に広島の未来を築いていただきたいと思います。そのために、我々県職員が皆様に寄り添い、進出前から進出後までしっかりサポートさせていただきます。


(道路様)
先ほど自然の魅力を申し上げましたが、離島に首都圏のデジタル系企業が移転して来られたことを機に、IT化が急激に進み、島全体が活性化しているといった事例もございます。人口の少ないエリアにも多くの企業様に来ていただき、県全体がより盛り上がっていけばいいなと思っています。


今回インタビューにお答えいただきまして誠にありがとうございました。
これからも助成金なうは、より一層特化した情報収集を進めていきます。
よろしくお願いいたします。