助成金なうでは、自治体のご担当者を対象にして、現在力を入れている取組や助成金・補助金について詳しくお伺いしております。
自治体の取組や担当者の想いを地域の事業者様へ周知し、興味・関心を持ってもらうことで、その地域の活性化に貢献することを目的としています。
第2回は、長野県飯山市役所 商工観光課の係長 小野沢様、主任 梨和様にインタビューさせていただきました。
Q1.今回弊社のインタビューをお受けいただいた理由についてお教えください。
市の補助制度の認知度を向上したいということで、インターネットなどで周知していただければと思い、お受けさせていただきました。
Q2.県庁よりも市役所の方がインターネットに力を入れているケースが増えているかと思いますが、ポータルサイトはお持ちになられていますか?
現時点(2024/11/1)ではポータルサイトはなく、市のホームページの中で完結しています。
なお、「移住定住関連」についてはポータルサイト(※)があります。そのサイトを通じて、事業所様向けの補助金の相談が来る場合もあります。
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※飯山市ふるさと回帰支援センター
https://furusato-iiyama.net/
Q3.所属されている「経済部商工観光課」の業務内容について教えていただけますか?
主な担当業務は観光PR、観光振興になります。
我々は「商工係」として、企業誘致、商店街等の既存の事業所の支援、新しく起業したい方への支援を担当しています。
Q4.誘致については、イベントを企画する事業者と連動して実施されているのでしょうか?
春には「いいやま菜の花まつり」、夏には「いいやま灯篭まつり」、冬になると「いいやま雪まつり」など、いろいろなイベントやお祭りが市内で開催されています。
そのほとんどは実行委員会形式となり、事業者様たちと市が連携して運営しています。
たとえば、飯山駅は新幹線が通るため、JR様と協力してイベントを実施しています。
Q5.その実行委員会には市職員の方も積極的に関わるのでしょうか?
市役所の課がイベントの事務局になることが多いため、市職員も積極的に関わります。
事務局は商工観光課が担うことが多いですが、農林課、企画財政課などが関わることもあります。
Q6.事務局として市内イベントに関わる際は、地場の特産品などをPRするのでしょうか?
地場の特産品などをPRする場合は、市内ではなく、他の市のお祭りに出向いてPRすることが多いです。
飯山市の場合、関係する市が9つあります。
大阪府大阪市が姉妹都市、東京都国分寺市が友好都市となります。また、新幹線関係で、新潟県糸魚川市、富山県魚津市・高岡市・富山市、石川県小松市・七尾市、福井県敦賀市との間で「観光交流都市」という協定を結んでいます。
これらの都市からお祭りの案内があった時、地場の物をPRするということで、とても良い宣伝になります。
逆に、「いいやま灯篭まつり」や「いいやま菜の花まつり」などの市内のお祭りについては、こちらから案内をかけております。
Q7.弊社ではお客様におすすめの補助金のご紹介と申請支援をさせていただいております。現在、商工観光課で力を入れている、または活用してほしい補助金はありますか?
「企業誘致移住支援金」と「起業支援事業補助金」の2つになります。
企業誘致移住支援金は、県外の法人様が、市内への本社移転、市内でのテレワーク実施、サテライトオフィスの市内設置のいずれかによって、従業員が市内へ移住してくれることを条件に、最大640万円の支援をさせていただきます。
この補助金を通じて、人口流入増加や雇用創出を実現するだけでなく、新規産業の立地などによる業種のバラエティーの増加も目指したいと考えています。
また、起業支援事業補助金は、新規創業予定の事業者支援となっております。
※企業誘致移住支援金
https://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/shoukou/shoukou/news/48494
※起業支援事業補助金
https://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/shoukou/shoukou/kigyoushien/kigyousien.htm
Q8.現在、飯山市内の事業者様のうち、この業種が少ないというのはあるでしょうか?
IT企業がほぼないです。
令和3年に1件、ホームページ制作企業様が企業誘致移住支援金を活用して支店を作られたのですが、それ以前の事例はほぼなかったと思います。
Q9.システムの開発やソフトウェアを販売されている事業者様は市内にいらっしゃいますでしょうか?
そちらもほぼないです。
Q10.飯山市内での起業についてお問い合わせがくることはあるのでしょうか?
あまり多くはなく、年間で10件程度になります
Q11.「商工会が起業の相談を受けて、市の職員と連携して情報共有する」ということがあるとお聞きしておりますが、実際にそのようなケースはあるのでしょうか?
はい、実際に飯山市内の商工会議所様と連携し、情報共有を密にして、一緒にやらせてもらっています。
Q12.「企業誘致移住支援金」について、従業員が飯山市へ移住することが必須要件となるのでしょうか?類似する補助金の中には、「隣の市への移住なら可」としているものもあります。
「企業誘致、新産業を市内にもっていきたい」ということが目的でしたら、そのような選択肢も考えられるのですが、「企業誘致移住支援金」は人口増加も目的としておりますので、原則飯山市内への移住のみを要件としています。
Q13.「企業誘致移住支援金」に力を入れているということですが、昨年・一昨年から移住の数は増えているのでしょうか?
年間100人前後の方が飯山市へ移住しています。
移住については早い段階から力を入れており、移住希望者向けの雑誌に毎年掲載されている「住みたい田舎ランキング」では、飯山市は毎年全国トップレベルに入っています。
市役所には「移住定住推進課」があり、そこが力をいれています。
新幹線の駅ができる前から取り組んできたのですが、駅が開業し、そのことで飯山市を知った方が、認識・理解を深める中で、移住につながるケースが年々増えています。
Q14.「多くの事業者に来てほしいけれども、住民も増えてほしい」ということですね。
はい、そのように考えております。
Q15.IT企業が少ないということでしたが、特にどのような事業者が飯山市に来てほしいとお考えですか?
一番いいなと考えているのはIT企業です。
しかし、どういう業種かよりも、飯山市の環境が拠点設置を希望する企業代表者・社員の方にマッチするかどうかが重要だと考えています。
飯山市は、スキーやサイクリング、千曲川などの地元の川や湖を使ったSUP・カヌー・ラフティングといったアクティビティが年間を通して充実しています。
「それらアクティビティを福利厚生として活用したい」、「社員にアクティビティ好きな人が多い」という事業者様であれば、代表者・社員の方も一年中楽しめるようなワークライフバランスのとれた生活ができるのではないかと思っております。
IT企業は都会にいなくてもパソコンがあれば業務に取り組めるという部分があると思うので、「場所にとらわれずアクティビティを楽しみたい」ということであれば、是非飯山市に来ていただきたいと考えております。
Q16.IT関連の事業者がいないことによって、デジタル化の部分で発展が足りない部分はありますか?
デジタルインフラがまだ弱く、DX以前にデジタルを取り入れることがまだ進んでいない事業者様が多いです。
特に宿泊業や個人の小売店については高齢化も進んでいて、教えてくれる人もいないし使い方も分からない状態ですが、キャッシュレス決済の導入は進んでいるのではないかと考えています。
ただ、SNSやホームページを使った販路拡大や宣伝の部分はまだまだ弱いのではないかと思います。
Q17.住民の方の年齢層はどのあたりが多いのでしょうか?
60代以降の年齢層が多いと思います。人口が1万8千人~1万9千人程度ですが、そのうち未成年の年代は1千人~3千人であり、少子高齢化が顕著になっています。
Q18.移住の数が増えてきているということですが、補助金を使わずに移住される方は多いのでしょうか?
補助金については商工観光課の補助金ではないのですが、移住定住推進課がおこなっているUIJターンに関連する補助金を一般の方が活用して移住されるということが多いです。
特に、自然環境を求めて来られる方が多いと聞いています。
Q19.ちなみに、県と連動している企業立地系の補助金が多いイメージがあるのですが、飯山市と長野県も連動されているのでしょうか?
情報共有の面で連動はあります。
また、補助金で連動しているものは、特に工業団地系については県のもので大きい企画があった際に連携することがあります。
Q20.最後に「飯山市のココがイイ!」というのがあれば一言お願いします。
飯山市は自然環境、特に四季の移り変わりが豊かです。
特に冬は雪がたくさん降るので、他の地域とは違ってスキーなどのアクティビティが楽しめます
冬以外の季節でも楽しめるアクティビティがありますし、開放感のある丁度いい田舎のような生活も楽しめます。
ご紹介した支援だけではなく、新しく事業をやりたいという方たちも含めて補助金を是非活用していただければと思います。
今回インタビューにお答えいただきまして誠にありがとうございました。
これからも助成金なうは、より一層特化した情報収集を進めていきます。
よろしくお願い致します。