ここ数年、助成金を取り巻く状況は厳しくなりつつあります。
とはいえ、これが本来の姿で今までが甘かったといっても過言ではありません。
厳しくなったのにはどのような背景があるのでしょうか?
1.助成金の本来の趣旨にそぐわない事業主が多い
今年度は助成金の厳罰化がなされましたが、その理由は単に不正受給が多かったからというだけではありません。
不正ではないけど本来の趣旨にそぐわない事業主にも助成金が支給されていたという現状も少なからずあったと考えられます。
一部の業種による宣伝などを通じて助成金を「会社の利益になるもの」と誤解している事業主はいまだに多いです。
極端な事業主は「助成金は会社の利益になる」と発言する社会保険労務士を「良い先生」と位置付けているそうです。
2.「おいしい助成金」はなくなっていく
現状では、要件通りに新規雇用や社内制度の整備を行った事業主には定額の助成金が支給されます。
このような助成金は、「○○をしたら××万円支給する」というように、支給された助成金がそのまま会社の利益となる「おいしい助成金」と言えます。
しかし最近の助成金の傾向としては、「職場環境の改善のため○○の取組みを行ったら、そのためにかかった費用の△△%を補助する」というように、会社が既に支払った費用の一部を補助するタイプの助成金が増えています。
たとえば今年度人気の助成金の一つとして、「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」が存在します。
この助成金は「勤務間インターバル制度を導入したら××万円を支払う」というものではなく、「勤務間インターバル制度を導入したら、制度導入のために要した費用の一部を補助します」という制度設計になっています。
勤務間インターバル制度を導入しようとしている事業主にとってはありがたい助成金です。しかし、助成金で利益を生み出そうと考えている事業主にとっては期待外れの助成金ということになるでしょう。
このような傾向は今後も続き、「おいしい助成金」はなくなっていくと考えられます。
まずは「利益補填」から「経費補填」に発想を転換することから、もう一度見つめ直しましょう
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