内閣府の発表によると、2018年における高齢者(65歳以上)の人口は3515万人にのぼり、総人口に占める割合が27.7%となりました。
つまり、4人に1人は高齢者ということです。
高齢化が進行すると、まず問題視されるのは、労働力の低下とそれに伴う日本経済の沈降化です。
今までは高齢者が働かなくても、たくさんいる若者たちの労働だけで日本経済を成長させることができました。
しかし、若者が減り続け高齢者が増え続ける現代日本では、これ以上若者たちの労働だけで経済を支えることが困難になっています。
そこで、政府は「生涯現役社会」という名の下で、高齢者にも働いてもらおうとさまざまな施策を打っています。
今回は、その施策のひとつである
厚生労働省の65歳超雇用推進助成金
について、詳しくご説明します!
1.厚生労働省の65歳超雇用推進助成金
厚生労働省では、65歳超雇用推進助成金を設け、高齢者が年齢に関わりなく働ける環境づくりを支援しています。
この助成金は、65歳以上への定年引上げ、高齢者の雇用環境の整備、高齢者の有期契約労働者の無期雇用への転換などを行った事業者に対して、一定の金額を支給するものです。
以下主な要件となります。
2.65歳超雇用推進助成金の3つのコース
65歳超雇用推進助成金は以下の3つのコースに分かれています。
65歳超継続雇用促進コース
高年齢者雇用環境整備支援コース
高年齢者無期雇用転換コース
各コースについて詳しく解説します。
3.65歳超継続雇用促進コース
従業員の定年を65歳以上に引上げるなど、高齢者の継続雇用制度を整備して実施した場合に助成します。
①助成対象
労働協約または就業規則を整備して、次の1.~3.のいずれかの制度を実施する必要があります。
1.65歳以上への定年引上げ
2.定年の定めの廃止
3.希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入
②助成額
実施した制度の内容や定年等の年齢の引上げ幅、60歳以上の雇用保険被保険者数に応じた助成額を支給します。
※厚生労働省HPより
4.高年齢者雇用環境整備支援コース
作業方法や能力評価制度などを改善し、高齢者の雇用機会を増大するための環境を整備した場合に助成します。
①助成対象
高年齢者の雇用環境整備のため、次の1.~3.のいずれかの措置を実施する必要があります。
1.機械設備、作業方法、作業環境の導入または改善による
既存の職場または職務における高年齢者の雇用の機会の増大
2.能力開発、能力評価、賃金体系、労働時間等の雇用管理制度の見直しまたは導入
3.医師または歯科医師による健康診断を実施するための制度導入
また実施前に、「雇用環境整備計画」を作成し、独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」の理事長に提出して、その認定を受けなければいけません。
②助成額
1.助成率
ⅰ、通常の場合
60%(ただし、中小企業以外は45%)
※対象の60歳以上の雇用保険被保険者数に28.5万円を乗じて得た額といずれか低い方を支給します。
ⅱ、生産要件を満たした場合
75%(中小企業以外は60%)
※対象の60歳以上の雇用保険被保険者数に36万円を乗じて得た額といずれか低い方を支給します。
2.助成上限額
1,000万円
5.高年齢者無期雇用転換コース
50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者へ転換した場合に助成します。
①助成対象
まず「無期雇用転換計画」を作成し、独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」の理事長に提出して、その認定を受ける必要があります。
その後、無期雇用転換計画の実地期間中に、50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換します。
②助成額
1.助成額
ⅰ、通常の場合
対象労働者1人につき48万円(中小企業以外は38万円)
ⅱ、生産要件を満たした場合
対象労働者1人につき60万円(中小企業以外は48万円)
2.上限人数
転換日を基準として、1適用事業所あたり10人まで
6.まとめ
いかがでしょうか?
今後このような高齢者の雇用や労働を促進するための助成金は国や自治体でたくさん出るものと思われます。
また、たとえ高齢者であっても、若者以上に能力も意欲も高い方は大勢いらっしゃいます。
是非この65歳超雇用推進助成金を使って、優れた高齢者たちに働いてもらってはいかがでしょうか?
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