「毎月の生活費が足りない」「家賃の支払いが厳しい」「ひとり親で働き方を変えたい」「家を出たいが住まいがない」――生活が苦しいと感じる理由は人によって違います。公的支援も、一律の「女性向け給付金」ではなく、生活費、住居、子育て、資格取得、安全確保など困りごとごとに制度が分かれています。

女性であることだけで全国一律の現金が支給される制度ではありません。生活保護は世帯の収入・資産等、住居確保給付金は離職・収入減等、児童扶養手当やひとり親向け職業訓練給付は家庭状況と所得等、それぞれ別の要件があります。

制度概要

困っていること確認したい制度主な支援
食費・光熱費などを含め最低限の生活が維持できない生活保護最低生活費と収入の差額。生活・住宅・医療等の扶助
離職・収入減で家賃が払えない住居確保給付金自治体基準を上限に家賃を原則3か月、最大9か月
ひとり親で子どもを養育している児童扶養手当2026年4月~全部支給 月4万8,050円+第2子以降加算
ひとり親で資格取得のため6か月以上学ぶ高等職業訓練促進給付金月10万円(住民税課税世帯7万500円)、最終1年は月4万円加算
ひとり親で対象講座を受講する自立支援教育訓練給付金受講費の60%等、条件により修了・就職後85%まで
DV、居場所喪失、経済困窮など複合的な問題女性相談支援センター等相談、安全確保、一時保護、住居・就労等への支援

1.生活保護|最低生活費に収入が足りない場合、その差額を支給

対象者

世帯員が利用できる資産、能力、年金・手当など他制度を活用してもなお、世帯収入が国の基準で計算した最低生活費に満たない場合に保護が適用されます。

支給額

全国一律の固定額ではありません。最低生活費-認定された世帯収入=保護費が基本で、地域、世帯人数、年齢、家賃などによって変わります。

支援内容

食費・被服費・光熱費等の生活扶助、家賃等の住宅扶助、医療扶助など、必要に応じて複数の扶助があります。

申請先

住所地を所管する福祉事務所です。

2.住居確保給付金|離職・収入減で家賃が苦しい人へ

対象者

主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内、または本人の責任・都合によらず収入機会が離職等と同程度まで減少し、収入・資産などの要件を満たす人です。

支給額・期間

市区町村ごとの住宅扶助基準を上限に、実際の家賃額を原則3か月支給。要件を満たせば2回延長でき、最大9か月です。原則として自治体から大家・管理会社等へ直接支払われます。

注意点

「女性」「低所得」というだけで自動支給されるわけではなく、離職・収入減の状況、世帯収入・資産、求職活動等の要件があります。

3.児童扶養手当|ひとり親等は2026年4月から月最大4万8,050円

対象者

父母が離婚した児童、父または母が死亡した児童、父または母が一定の障害状態にある児童など、制度上の要件を満たす児童を監護する母・父・養育者等です。対象児童は原則18歳到達後最初の3月31日まで(一定の障害がある場合は20歳未満)。

支給額

2026年4月から、全部支給は月4万8,050円、一部支給は月4万8,040円~1万1,340円。第2子以降は1人につき全部支給月1万1,350円が加算され、一部支給は所得に応じて変わります。

所得制限

所得制限があります。こども家庭庁資料では、親1人・子1人の2人世帯の収入ベース目安で、全部支給は190万円、一部支給は385万円が示されています。実際の判定は所得額、扶養人数、養育費等を用いて行われます。

支給時期

原則として1月、3月、5月、7月、9月、11月です。

4.高等職業訓練促進給付金|ひとり親の資格取得中に月10万円

対象者

母子家庭の母または父子家庭の父で、児童扶養手当を受けているか同程度の所得水準にあり、対象資格取得のため養成機関で6か月以上修業し、仕事・育児との両立が困難と認められるなどの要件を満たす人です。

支給額

訓練期間中は月10万円(住民税課税世帯は月7万500円)。訓練期間の最後の1年間は月4万円を増額。修了後には5万円(課税世帯2万5,000円)が支給されます。

対象資格

看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師などのほか、一定のデジタル分野の民間資格も対象例として示されています。

5.自立支援教育訓練給付金|ひとり親の講座費用を60%等支援

母子家庭の母または父子家庭の父が対象教育訓練を受講・修了した場合に費用の一部を支援する制度です。

支給額

対象講座の費用の60%が基本。一般・特定一般教育訓練の対象講座では上限20万円、専門実践教育訓練の対象講座では修学年数×40万円、最大160万円。さらに専門実践教育訓練の対象講座を修了後1年以内に資格取得・就職等した場合、一定要件で85%(修業年数×60万円、最大240万円)まで支給される仕組みがあります。

注意点

雇用保険の教育訓練給付を受けられる場合は、その給付額との差額が支給されるなど調整があります。受講開始前に自治体窓口へ相談することが重要です。

6.女性相談支援センター|現金給付だけでは解決しない困窮にも対応

2024年4月施行の「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」に基づき、都道府県は女性相談支援センターを設置しています。経済的な困窮だけでなく、DV、家族関係、性的な被害、居場所の喪失、住まい、心身の不調など複合的な問題について相談できます。

受けられる支援

相談、緊急時の安全確保・一時保護、心身の回復への援助、就労・住宅確保・福祉制度利用の情報提供や関係機関との調整などです。これは「女性なら定額給付」という制度ではありません。

全国共通短縮ダイヤル

#8778(はなそう なやみ)で、電話をかけた都道府県の女性相談支援センターにつながります。回線・地域によって短縮番号が利用できない場合があります。

今の困りごとから制度を選ぶ

今いちばん困っていること最初の相談先
食費・光熱費を含め生活全体が成り立たない福祉事務所(生活保護)/自立相談支援機関
家賃が払えない・退去が不安自治体の自立相談支援機関(住居確保給付金)
ひとり親で日々の養育費が厳しい市区町村のひとり親・児童扶養手当担当窓口
資格を取って収入を上げたい自治体のひとり親支援窓口
DV・居場所がない・家に帰れない女性相談支援センター #8778

この記事のポイント

  • 「生活が苦しい女性」全員への全国一律定額給付はない
  • 最低生活そのものが難しい場合は生活保護を確認
  • 離職・収入減で家賃が厳しい場合は住居確保給付金
  • ひとり親の児童扶養手当は2026年4月から全部支給月4万8,050円
  • 資格取得を目指すひとり親には月10万円の高等職業訓練促進給付金などがある
  • DV・住居喪失など複合問題は女性相談支援センターで一時保護・制度連携を相談できる

「給付金を探す」だけで止まらないことが重要です。家賃、子育て、就職、安全確保では窓口が異なります。複数の問題が重なっている場合は、自立相談支援機関や女性相談支援センターから必要な制度へつないでもらう方法があります。

助成金なうはこちら

よくある質問

Q:収入が少ない女性なら、生活保護を必ず受けられますか?

収入額だけでは決まりません。生活保護は世帯単位で、収入、資産、働く能力、利用できる他制度などを確認し、最低生活費との比較で判断されます。

Q:児童扶養手当は母子家庭なら全員月4万8,050円ですか?

いいえ。全部支給額が月4万8,050円で、所得により一部支給または対象外となります。父母の離婚等の支給要件も必要です。

Q:ひとり親が資格取得する間、毎月10万円を受け取れますか?

高等職業訓練促進給付金の要件を満たす場合です。児童扶養手当受給相当の所得、対象資格、6か月以上の修業などの条件があり、住民税課税世帯は月7万500円です。

Q:家を出たいのですが、お金だけでなく住む場所も相談できますか?

困難な問題を抱える女性への支援では、女性相談支援センターが緊急時の安全確保、一時保護、住宅確保、就労・福祉制度利用などの支援調整を行います。

公式情報