国の年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入やその他の所得が一定基準以下の年金受給者の生活を支えるため、年金に上乗せして支給する恒久的な制度です。2026年度の老齢年金生活者支援給付金は、月5,620円を基準に保険料納付済期間・免除期間等から実際の支給額を計算します。

この制度は全国で実施される国の制度ですが、年金受給者全員が対象ではありません。老齢分は、65歳以上の老齢基礎年金受給者で、同一世帯全員が市町村民税非課税、かつ前年の年金収入等が基準以下であることなどが必要です。

制度概要

実施機関

厚生労働省/日本年金機構。

対象地域

日本全国。厚生労働省FAQでは、日本国内に住所がない場合は支給されないと案内されています。

対象者

この記事では主に老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金を取り上げます。主な要件は次の3点です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金受給者であること
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が基準以下であること

2026年10月時点の所得基準は次のとおりです。

  • 1956年4月2日以後生まれ:合計926,500円以下
  • 1956年4月1日以前生まれ:合計924,100円以下

このうち、1956年4月2日以後生まれで826,500円超926,500円以下、1956年4月1日以前生まれで824,100円超924,100円以下の場合は、所得の逆転を防ぐため補足的老齢年金生活者支援給付金として調整された額が支給されます。

支給額・補助額

2026年度の老齢年金生活者支援給付金は、月額5,620円が「基準額」です。2025年度の5,450円から3.2%増額されました。ただし5,620円が一律に支給されるわけではありません。

1956年4月2日以後生まれの人の基本的な計算は、次の2つの合計です。

  • 保険料納付済期間に基づく額:5,620円 × 保険料納付済期間 ÷ 480月
  • 保険料免除期間に基づく額:11,768円 × 保険料免除期間 ÷ 480月(全額免除・3/4免除・半額免除期間等。1/4免除は別係数)

たとえば納付済期間480月、免除期間0月なら月額5,620円です。一方、納付済期間や免除期間、所得によって実額は異なります。1956年4月1日以前生まれは免除期間に用いる係数も異なるため、通知書の見込額を確認してください。

2026年9月の請求書発送

日本年金機構は、基礎年金を受給している人のうち、所得額の低下などによって2026年度に新たに対象となる人へ、2026年9月1日から順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」を送付しています。請求書は緑色の封筒で届き、はがきには請求した場合の見込月額も記載されます。

申請期間・支給開始

原則として、認定請求をした月の翌月分から支給対象になります。ただし、毎年10月分の支給要件に該当し、日本年金機構からはがき型請求書等を送られた人が10月1日から12月31日までに返送して認定請求した場合は、9月30日に請求したものとみなし、10月分から支給する特例があります。請求書が届いた場合は放置せず、年内に手続きを済ませることが重要です。

申請方法

はがき型請求書が届いた人は、次のいずれかで提出できます。

  • 電子申請:2025年1月以降に日本年金機構からはがき型請求書が届いた人は電子申請が可能
  • 郵送:はがき型請求書に氏名等を記入し、目隠しシールを貼って切手を付けて投函

電子申請をした場合は、同じ請求書を郵送する必要はありません。請求書を紛失した場合はA4型の請求書をダウンロードし、年金事務所へ提出できます。

すでに受給している人は原則再申請不要

すでに年金生活者支援給付金を受けており、引き続き支給要件を満たす人は、翌年以降の手続きは原則不要です。日本年金機構が毎年、市町村から所得情報の提供を受けて支給要件を判定します。2026年度の判定結果は2026年10月分から2027年9月分まで反映されます。

受取時期

給付金は年金と同じく偶数月の中旬に前月分までをまとめて振り込みます。振込先は年金と同じ口座、振込日は同じですが、通帳上は年金とは別の入金として記載されます。

主な条件

  • 65歳以上の老齢基礎年金受給者
  • 同一世帯全員が市町村民税非課税
  • 前年の年金収入等とその他所得が所定の基準以下
  • 日本国内に住所があること
  • 年金が全額支給停止となっていないこと等

注意点

「低所得の年金受給者なら全員に月5,620円」という制度ではありません。5,620円は2026年度の基準額で、納付済・免除期間等により計算されます。また、9月1日からの請求書発送は新たに対象となる人への案内で、既受給者全員に毎年請求書が送られるわけではありません。

この記事のポイント

  • 全国制度だが、老齢分は65歳以上・世帯全員住民税非課税・所得基準などの条件あり
  • 2026年度の老齢分は月5,620円が基準額で、一律支給額ではない
  • 2026年9月1日から、新規対象者へはがき型請求書を順次発送
  • はがき型請求書は電子申請または郵送で提出可能
  • 10月1日~12月31日の特例期間内に請求すれば、要件を満たす人は10月分から支給される扱い

よくある質問

Q:年金を受け取っていれば月5,620円が上乗せされますか?

いいえ。老齢分は65歳以上の老齢基礎年金受給者、世帯全員の市町村民税非課税、所得基準などをすべて満たす必要があります。さらに5,620円は基準額で、実際の金額は納付済・免除期間等で変わります。

Q:緑の封筒が届いたら必ず申請が必要ですか?

新たに対象となる人へ送られるはがき型請求書は、受給のために認定請求が必要です。電子申請または郵送で手続きしてください。

Q:すでに受給中でも毎年請求し直しますか?

引き続き要件を満たす場合、翌年以降の手続きは原則不要です。ただし、一度不該当となった後に再び要件を満たした場合などは、改めて認定請求が必要になることがあります。

Q:12月31日までに返送すれば10月分から受け取れますか?

日本年金機構からはがき型請求書等を送られ、10月分の支給要件を満たす人が10月1日~12月31日に認定請求した場合は、制度上の特例により9月30日に請求したものとみなされ、10月分から支給されます。

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公式情報

一次情報確認済み:厚生労働省の制度ページ・FAQ、日本年金機構の2026年度額と9月1日更新の請求書案内、2026年3月27日最終改正の事務取扱通知を確認しています。