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最近補助金における「確定ゼロ円」が話題になっていることをご存知でしょうか?

今回は補助金採択後の悲劇、「確定ゼロ円」とは何かについて説明します。

補助金を受け取るまでのスケジュール

補助金を受けたことのある方ならご存知だと思いますが、補助金は採択されてからが一苦労です。書類作成やエビデンスの準備などけっこうやることが多く、補助金によっては申請より負荷がかかると感じることもあります。
まずはものづくり補助金を参考に補助金のスケジュールを確認しておきましょう。

(1)応募開始
(2)応募締切
(3)審査
(4)採択発表
(5)交付申請
(6)交付決定
(7)補助事業実施
(8)補助事業遂行状況報告書提出
(9)中間監査
(10)補助事業完了
(11)実績報告書提出
(12)確定検査
(13)審査
(14)補助金額の確定
(15)精算払請求
(16)補助金支払

多くの事業者様、特に初めて補助金を申請しようとしている場合、(4)採択発表後の工程の多さに驚かれる方もいらっしゃるかと思います。
「補助金は採択されてからが勝負」といわれるゆえんです。

確定ゼロ円とは?

先ほどのスケジュールの中でも最終版近く、(10)補助事業完了(11)実績報告書提出してからの(12)確定検査、(13)審査で最終的な補助金額が確定します。

この段階で事業実施内容が交付決定された計画と内容が違っていると判断され、(14)の確定通知書で0円と通知され、最終的に補助金が出ない・・・。

これが「確定ゼロ円」であり、最近特に増えているとのことです。

確定ゼロ円の背景

補助金とは違いますがコロナ禍の昨年、「持続化給付金」が設けられて多くの事業者が給付を受けました。しかし、その中で不正に給付を受けた一部の事業者などがおり、返金を求められたり、場合によっては詐欺罪に問われたりと皆様の記憶に新しいかと思います。

補助金でもつい先日、大規模不正が発覚し、その対策のために一部の補助金で採択まで非常に時間がかかるケースなどもでてきました。今後、額の大きな補助金の検査は場合によっては会計検査院が関わることも検討されているそうです。

補助金の財源は税金ですので国(省庁)や事務局の対応も申請時だけでなく、実施後もチェックが厳しくなってきているのは当然の流れと言えるでしょう。

【まとめ】確定ゼロ円を防ぐには?

苦労して申請書を仕上げ、手間をかけて実績報告をしたことすべてが水の泡となってしまう悲劇の原因は何でしょう?

その多くは「購入品が申請時と違う」「購入品を勝手に処分してしまった」「申請した通りに事業を実施していない」「事業を中断したのに報告していなかった」などです。明らかに意図的にそうした場合は問題外ですが、「そう判断された場合」でも確定ゼロ円になってしまいます。

補助事業実施の際、申請した計画と相違があれば、些細なことでも自社で勝手に判断せず、事務局に相談してください。

その上で然るべき計画の変更承認を受ける「正直さ」がなによりも大切ですね。