40代・50代・60代になると、再就職やキャリアチェンジだけでなく、親の介護、自身の体調変化、60歳以降の賃金低下など、家計に影響する出来事が重なりやすくなります。国にはこうした状況に応じて利用できる給付・支援制度があります。

「中高年女性」という属性だけで受け取れる全国一律の給付金ではありません。この記事では検索上の「中高年女性」をおおむね40代~60代の生活課題として捉えていますが、公的制度上の統一された「中高年女性」の年齢区分ではありません。実際の対象年齢や加入要件は制度ごとに異なります。

制度概要

こんな状況確認したい制度支援の目安
雇用保険の基本手当を受けられず、再就職・転職を目指す求職者支援制度職業訓練受講手当 月10万円+通所手当等
働きながら・離職後に資格や専門スキルを学び直す教育訓練給付金受講費用の20~最大80%など、講座区分で異なる
親・配偶者などの介護のため休業する介護休業給付原則「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」
60~64歳で賃金が60歳時点より大きく下がった高年齢雇用継続給付一定条件で各月賃金の最大10%(対象時期により15%)
病気・けがで仕事を休み、給与が出ない傷病手当金標準報酬を基に1日当たり概ね3分の2、通算1年6か月

1.求職者支援制度|月10万円を受けながら無料の職業訓練

実施機関

厚生労働省・ハローワーク。

対象者

ハローワークへ求職申込みを行い、雇用保険の被保険者・受給資格者ではなく、働く意思と能力があり、職業訓練等の支援が必要と認められる人が基本です。雇用保険を受けられない離職者、雇用保険の受給を終えた人、フリーランス・自営業を廃業した人、一定収入以下のパートから正社員への転職を目指す人などが例示されています。

支給額

給付要件を満たす場合、職業訓練受講手当は月10万円。このほか通所手当は月上限4万2,500円、一定の場合は寄宿手当月1万700円があります。収入・資産・出席状況など別途要件があります。

申請方法

まず住所地を管轄するハローワークで求職申込み・制度相談を行い、訓練コースの選択、受講申込み、給付の審査へ進みます。

2.教育訓練給付金|学び直し費用を20~最大80%支援

対象者

雇用保険の加入期間などの要件を満たし、厚生労働大臣指定の教育訓練を受講する人です。一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練で給付率と上限が異なります。

支給額の例

専門実践教育訓練では受講費用の50%(年間上限40万円)が基本。資格取得等をして修了後1年以内に就職等した場合は70%(年間上限56万円)、さらに2024年10月1日以降開始の講座で修了後の賃金が受講前より5%以上上昇するなどの要件を満たすと80%(年間上限64万円)まで再計算されます。

注意点

「好きなスクールなら何でも対象」ではありません。受講開始前に、講座が指定対象か、本人の雇用保険加入歴で受給資格があるかをハローワークで確認することが重要です。

3.介護休業給付|親などの介護で休む期間を67%支援

対象者

雇用保険の被保険者が、負傷・疾病・身体または精神上の障害により2週間以上にわたり常時介護を必要とする対象家族を介護するため、要件を満たす介護休業を取得した場合です。対象家族には配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫が含まれます。

支給額・期間

原則として休業開始時賃金日額×支給日数×67%。同じ対象家族について通算93日、3回までが給付対象です。休業中に賃金が支払われると減額・不支給になる場合があります。

独自ポイント

厚生労働省の例では、介護休業中に賃金がない場合、休業前の平均月額が15万円程度なら月約10万円、20万円程度なら約13.4万円、30万円程度なら約20.1万円が目安として示されています。

4.高年齢雇用継続給付|60~64歳で賃金が75%未満に低下した場合

対象者

60歳以上65歳未満の一定の雇用保険一般被保険者で、原則として60歳到達時等と比べて賃金が75%未満へ低下して働き続ける人が対象です。被保険者期間などの要件があります。

支給率

60歳到達等の日が2025年4月1日以降の人は、各月賃金の最大10%。2025年3月31日以前に対象となった人は従来の最大15%が適用されます。

注意点

60歳以上なら全員に10%が上乗せされる制度ではありません。60歳時点からの賃金低下率に応じて支給率が変わり、75%以上の場合は対象外です。

5.傷病手当金|病気やけがで働けないときの生活保障

対象者

健康保険の被保険者が、業務外の病気・けがの療養のため仕事に就けず、連続する3日間を含み4日以上休み、休業期間に十分な給与が支払われないなどの要件を満たす場合です。

支給額・期間

1日当たりの支給額は、原則として支給開始日前の標準報酬月額の平均を基に算出した日額の3分の2相当。同一傷病について支給開始日から通算1年6か月が上限です。

この記事のポイント

  • 中高年女性というだけで受け取れる全国一律給付はない
  • 離職・転職なら求職者支援制度、学び直しなら教育訓練給付を確認
  • 親などの介護では介護休業給付が休業前賃金を基に67%
  • 60~64歳で賃金低下なら高年齢雇用継続給付の対象になり得る
  • 病気・けがで休職する場合は傷病手当金を確認する

直近記事との違い:2026年9月25日に助成金ブログで掲載された「35~59歳・最大60万円」の制度は、対象者本人への給付ではなく事業主向け助成金です。本記事では、本人が受給・利用主体となる制度を中心に構成し、検索意図を分けています。

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よくある質問

Q:40代・50代の女性なら月10万円を受け取れますか?

年齢・性別だけでは受け取れません。月10万円は求職者支援制度の職業訓練受講手当で、雇用保険、収入・資産、訓練受講・出席などの要件を満たす必要があります。

Q:親の介護で会社を休むと給料の67%が必ず支給されますか?

介護休業給付の要件を満たす介護休業が対象です。休業中の賃金がある場合は減額・不支給となることがあります。

Q:60歳になれば高年齢雇用継続給付を受けられますか?

年齢だけでは対象になりません。60歳時点等と比べた賃金低下、雇用保険の被保険者期間などの要件があります。

Q:パート勤務でも利用できる制度はありますか?

あります。求職者支援制度は一定収入以下の在職者も対象になり得ます。また、雇用保険・健康保険の加入条件を満たせば、他の給付を利用できる場合があります。

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