
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とIOM(国際移住機関)は、レバノンからシリアへ自発的に帰還する対象者向けに、交通支援と帰還時の一時金を提供しています。UNHCRは2026年9月18日、9月30日に加えて10月7日から12月9日までの組織的帰還の暫定日程を公表しました。
この支援は、レバノンにいるシリアへの帰還希望者等でUNHCRの制度要件を満たす人向けです。日本在住者向けの給付金ではなく、レバノンの全住民やシリア国民全員へ一律支給する制度でもありません。
正式額は帰還者1人につきUS$100、対象となる脆弱世帯には追加US$300です。2026年9月21日時点の1USD=約156.816円では、US$100は約15,682円(約1.6万円)、US$300は約47,045円(約4.7万円)相当です。為替変動により円換算額は変わります。
制度概要
実施機関
UNHCR LebanonおよびIOM。レバノンのGeneral Security(GSO)とも帰還手続きを連携します。
対象地域
レバノンからシリアへの自発的帰還。組織的移動ではレバノン各地域の指定集合地点から国境を越え、シリア側のダマスカス郊外、ダマスカス、ホムス、ハマ、イドリブ、アレッポ等が到着先として案内されています。
対象者
UNHCRに把握されているシリア人・シリア出身パレスチナ難民等で、十分な情報を得たうえで自由意思によりシリアへ恒久的に帰還することを選択し、UNHCRの面談・手続きを完了する人が中心です。
支給額・補助額
帰還する家族構成員1人につき一時金US$100。さらにUNHCRが把握する脆弱性要件を満たす世帯には1世帯あたり追加US$300のReturn Top-Upが支給されます。
追加US$300の主な対象
帰還する世帯員に、障害または重い病状がある人、ひとり親・単独介護者、危険にさらされている子ども・保護者のいない子ども、8人以上の大世帯などが含まれる場合が例示されています。追加支援は対象世帯につき原則1回です。
申請期間・利用期間
UNHCRの9月18日付最新案内では、9月30日に加え、10月7日・14日・21日・28日、11月4日・11日・18日、12月2日・9日の暫定的な組織的移動日程が掲載されています。ただし、天候・道路・運用事情等により中止・延期の可能性があります。
申請方法
希望する出発日の少なくとも10日前までにUNHCRへ連絡し、面談を受けます。UNHCRは家族構成と自由意思を確認し、Repatriation Form(RF)を発行します。US$100の一時金は、案内SMSを受領後、OMTの窓口で受け取る方式が示されています。
主な条件
- 帰還が自由意思に基づくこと
- UNHCRの対面面談を受けること
- 本人・家族の身分証明や民事書類を可能な範囲で準備すること
- 正式な国境検問所から出国すること
注意点
- Repatriation Formが発行されると、UNHCR Lebanonのファイルは閉鎖されます。帰還後の生活や再入国の可能性も含め、署名前に十分確認する必要があります。
- 最新日程は「暫定」です。12月9日までの実施が無条件で保証されたわけではありません。
- UNHCRの一般案内ページには「9月30日まで」とする記載も残っているため、9月18日付最新日程とあわせ、実際の出発前にUNHCRへ最新状況を確認してください。
- 追加US$300は全世帯に支給されるものではありません。
この記事のポイント
- 基本の帰還一時金は1人US$100
- 脆弱性要件を満たす世帯は追加US$300の対象になり得る
- UNHCR・IOMによる無料交通支援あり
- 10~12月の組織的帰還は暫定日程
- RF発行後はUNHCR Lebanonのファイルが閉鎖されるため重要な判断が必要
手続き前に確認したいポイント
- 家族全員が帰還について十分な情報を得て同意しているか
- 希望日10日前までの連絡に間に合うか
- 身分証明、出生・婚姻・教育・医療・土地等の書類が準備できているか
- 追加US$300の脆弱性要件に該当するか
- 帰還後に必要な医療・教育・住居・法的支援の情報を確認したか
よくある質問
Q:帰還する人は全員US$100を受け取れますか?
UNHCRのVoluntary Return Programmeに参加し、面談・RF発行等の手続きを完了する帰還者について、1人US$100の一時金が案内されています。
Q:US$300は全世帯に追加されますか?
いいえ。障害・重い病状、ひとり親、保護上のリスクがある子ども、8人以上の大世帯など、UNHCRが把握する脆弱性要件を満たす世帯が対象です。
Q:12月9日まで制度が正式延長されたのですか?
UNHCRは9月18日付で12月9日までの「暫定的な組織的移動日程」を公表しています。一方、一般制度ページには9月30日までという記載も残っているため、正式な参加可否は出発前にUNHCRへ確認してください。
Q:RFに署名した後でも撤回できますか?
UNHCRは、RF発行前であれば意思変更が可能としています。RFが署名・発行されると帰還金の準備が始まり、UNHCR Lebanonのファイルは閉鎖されると案内しています。
公式情報
一次情報優先:UNHCR Lebanonの2026年9月18日付「New Return Dates to Syria」と、自発的帰還プログラムの公式FAQを優先しています。
- UNHCR Lebanon:New Return Dates to Syria(2026年9月18日)
- UNHCR Lebanon:Self-Organized Voluntary Return Programme




