「同一労働同一賃金」の実現に向けた各種の法改正が、大企業では2020年4月、中小企業では2021年4月から施行されることになっています。
つまり、雇用形態による不合理な待遇差を解消し、公正な待遇を確保することが全企業に義務付けられることになります。
この制度が施行されると、いわゆる正社員と派遣社員・アルバイトなどの有期契約労働者の不合理な待遇差は禁止となります。
そこで今回は正社員と有期契約労働者の公正な待遇の制度を設けると支給される助成金キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)をご紹介します。
以下主な要件となります。
1.対象となる諸手当制度
キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)は、雇用する有期契約労働者等に関して、正社員と共通の諸手当に関する制度を新たに設け、適用した場合に支給されます。
例えば正社員と同じ何かしらの手当を導入することもありです。なおその場合は、就業規則等でその雇用する有期契約労働者等に関して、正社員と共通の次の(1)~(11)のいずれかの諸手当制度を新たに設ける必要があります。
(1)賞与
(2)役職手当
(3)特殊作業手当・特殊勤務手当
(4)精皆勤手当
(5)食事手当
(6)単身赴任手当
(7)地域手当
(8)家族手当
(9)住宅手当
(10)時間外労働手当
(11)深夜・休日労働手当
2.支給申請の要件
上記の諸手当制度によって、対象労働者1人当たりに、次の要領で6カ月分の賃金を支給することが必要です。支給申請はその後となります。
(1)について
6カ月分相当として5万円以上支給
(2)~(9)について
1カ月分相当として1つの手当につき3,000円以上支給
(10)または(11)について
割増率を法定割合の下限に5%以上加算して支給
3.助成額
※生産性要件を満たした場合は( )内の額を支給
※大企業は金額が異なります
(1)基本額
1事業所当たり38万円(48万円)
≪1事業所1回のみ≫
(2)加算額(労働者)
共通化した対象労働者(2人目以降)について助成額を加算します。
※加算の対象となる手当は対象労働者が最も多い手当1つとなります。
対象労働者1人当たり1万5,000円(1万8,000円)
≪上限20人まで≫
(3)加算額(諸手当)
同時に共通化した諸手当(2つ目以降)について助成額を加算します。
※原則同時に支給した諸手当について加算の対象となります。
諸手当の数1つ当たり16万円(19万2,000円)
≪上限10手当まで≫
(4)最大助成額
48万円+1万8,000円×20人+19万2,000円×10諸手当=276万円
4.まとめ
有期契約労働者の格差解消は働き方改革の重要な取組のひとつです。
法改正が施行される前に、是非キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)を活用しましょう!
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