中小企業庁の試算によると、2025年までに、約127万の中小企業が後継者不足によって廃業する可能性があるといわれています。
そのうち、約半数は業績が黒字であるにも関わらず、事業承継する後継者がいないなどの理由で廃業せざるを得ない状況に陥るそうです。
雇用や経済指標であるGDPに与える影響も大きく、何とかしてこの流れを変えるべく国も動き始めています。
今回は、事業承継しやすくするために国が定めた法律中小企業経営承継円滑化法について、ご紹介します。
1.中小企業経営承継円滑化法とは?
事業承継する際、問題になるのが株式の扱い方です。
会社の株式が親族や役員などに分散されている場合、後継者の権限が限られてしまいます。
そのため、役員選任や事業の方針などの意思決定が出来なくなり、安定した経営をすることが難しくなる恐れがあります。
また、後継者に株式譲渡する際に多額の現金が必要になったり、金融機関の借入の個人保証を外せなかったりなど様々なハードルがあります。
そのハードルを下げて、事業を承継しやすくするための法律が中小企業経営承継円滑化法です。
2.中小企業経営承継円滑化法に承認されるメリットとは?
中小企業経営承継円滑化法に承認されると、以下4点のメリットが得られます。
①相続税の納税が猶予される
まず一番大きなメリットとして、相続税の納税猶予が挙げられます。
今までは、発行済み株式総数の3分の2に限って相続税の猶予がなされていました。
しかし、2018年の改定では、発行済み株式総数の100%が猶予となり、相続のたびに納税することがなくなりました。
②従業員を必ずしも雇用維持しなくていい
以前は、相続・贈与時に従業員の8割を雇用維持していなくてはいけないというルールがありました。
しかし、その実質基準を満たさなくても、相続・贈与が可能になりました。
③後継者枠を増やせる
後継者1人だったのが、3人の後継者まで認められることになりました。
④後継者に株式が集中しやすくなる
民法の特例として、自社株式が遺留分からの除外を認められることになりました。
つまり、相続対象資産とは別として扱われるようになり、後継者への株式の集中が可能になりました。
3.まとめ
中小企業経営承継円滑化法の承認を受ければ、その他にも、融資幅の拡大や低利の融資等の金融支援などのメリットもあります。
中小企業経営承継円滑化法のための支援を受けるためには、国に申請書を出さなくてはなりません。
事業承継を考えている方は、是非中小企業診断士などの専門家のアドバイスを仰ぎつつ、中小企業経営承継円滑化法の承認を目指しましょう。
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