
ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州(NRW州)の「Bildungsscheck 2.0」は、個人が自己負担する職業関連の継続教育について、対象となる受講料の50%、最大500ユーロを補助する制度です。ESF関連ルールの調整に伴い還付申請が一時中断されていましたが、公式機関は2026年9月1日から申請を再開すると案内しています。
この制度はドイツ・NRW州に居住し、所得などの条件を満たす個人向けです。日本在住者が日本で受講する研修に利用できる制度ではありません。
正式な上限額は500ユーロです。2026年9月1日時点の参考レート1ユーロ=185.404円で換算すると、最大約9万2,702円(約9.3万円相当)です。為替変動により日本円換算額は変わります。
制度概要
実施機関
ノルトライン=ヴェストファーレン州労働・保健・社会省(MAGS NRW)等が、欧州社会基金(ESF)の支援を受けて実施する制度です。制度情報・申請支援はWeiterbildungsportal NRWおよびG.I.B. NRWで案内されています。
対象地域
ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州。申請者はNRW州に居住している必要があります。
対象者
NRW州に居住し、職業に関連する継続教育を予定している個人が対象です。課税所得は単独申告で年5万ユーロ以下、夫婦等の共同申告で年10万ユーロ以下であることが基本条件です。所得確認には、原則として発行から2年以内の税務署の所得税通知書が必要です。
企業が従業員のために申請する「企業向けBildungsscheck」はBildungsscheck 2.0にはありません。あくまで本人が費用を私的に負担する個人向け制度です。
支給額・補助額
対象となるコース受講料の50%、最大500ユーロです。最大500ユーロは一律支給額ではなく、受講料が1,000ユーロ以上で、かつ全額が対象経費として認められる場合などに到達する上限です。
交通費や宿泊費などは原則として受講料補助の対象に含まれません。また同制度の補助を受けられるのは原則1暦年につき1回です。
申請期間・利用期間
2026年9月1日から還付申請が再開されます。制度上、予定する研修は開始日の少なくとも1日前までにESFポータルへ登録しておく必要があります。公式案内では、登録する研修はできるだけ2028年末までに修了することが推奨されています。
申請方法
まず研修開始前にESFポータルへ研修を登録します。受講後、研修提供者に参加確認書を記入してもらい、ポータルへ次の資料をアップロードして最終申請します。
- 記入済みの参加確認書
- 申請者本人名義の研修費請求書
- 発行から2年以内の所得税通知書
- 支給先となる銀行口座情報
審査で承認されれば、補助額が本人の口座へ振り込まれます。通常は受講者が研修費をいったん全額支払い、その後に補助を受ける後払い方式です。
主な条件
- NRW州に居住していること
- 課税所得が単独5万ユーロ以下、共同10万ユーロ以下
- 研修が現在または将来の職業に関連すること
- 研修費を本人が負担すること
- 他の公的制度から同じ研修への財政支援を受けていないこと
- 開始前にESFポータルへ登録していること
注意点
2026年9月1日以降は、制度改定により対象外となる研修内容・形式に注意が必要です。G.I.B.は、健康予防・個人的能力に関する一部研修、私生活中心の研修、認定されていない介護・健康研修、試験や試験対策、雇用主が費用負担義務を負う研修、個別コーチングや単発イベントなどを対象外例として案内しています。
また、申請書を送信しただけで支給が確定するわけではありません。審査で対象外と判断される場合があります。
申請・利用前に確認したいポイント
この制度は「受講後に初めて申請すればよい」わけではありません。研修そのものを開始前に登録しておく必要があります。研修費を先に全額自己負担するのが原則なので、対象可否の確認と資金準備を受講前に済ませることが重要です。
この記事のポイント
- 職業関連研修の受講料50%、最大500ユーロ
- 2026年9月1日から還付申請を再開
- NRW州居住+所得上限あり
- 研修開始の少なくとも1日前までに登録が必要
- 基本は本人が先払いし、修了後に審査・還付
よくある質問
Q. 500ユーロを先に受け取って研修費に使えますか?
原則としてその方式ではありません。通常は受講料を本人が支払い、修了後に必要書類を提出し、審査後に50%・最大500ユーロが還付されます。
Q. 年収5万ユーロ以下なら必ず対象ですか?
いいえ。判定に使うのは単純な額面年収ではなく課税所得で、居住地、研修内容、他の公的支援の有無などの条件もあります。
Q. 会社が受講料を払う研修でも申請できますか?
Bildungsscheck 2.0は個人が研修費を私的に負担する制度です。企業向けのBildungsscheckはありません。
Q. 日本在住者がドイツのオンライン講座を受ける場合も対象ですか?
対象外です。申請者はNRW州に居住している必要があります。




