厚生労働省の各種助成金を申請する際は、ほとんどの助成金で賃金台帳の提出が必要です。この賃金台帳は事業所に備え付けていなければいけない書類の一つでもあります。
万が一賃金台帳の存在が無い場合は給与明細書で代用可能な場合がありますが、原則賃金台帳の提出が求められます。
今話題の「雇用調整助成金」や有名どころの「キャリアアップ助成金」の支給申請の際にも賃金台帳または給与明細の提出が必要です。
賃金台帳・給与明細書は、会社によって独自のルール・計算方法で作られたものも存在します。しかしこの独自ルールが、本来の方法からあまりにもかけ離れていたりすると、助成金支給の可否としてはNGになる事もあります。
今回賃金台帳・給与明細書の記載方法について解説します!
1.よくある記載ミス
たとえば以下の社員の基本給を記載するとします。
基本給:200,000円
1ヵ月の要出勤日数:20日
欠勤(有給ではない):3日
この場合、欠勤控除が発生しますので計算方法は以下となります。
200,000円÷20日=10,000円←1日分の賃金
10,000円×3日=30,000円←欠勤控除額
200,000円-30,000円=170,000円←控除後の支給額
これを給与明細書に転記するときに、単に「基本給170,000円」と記載してしまうケースが多いです。
その会社と社員からすれば問題ないかもしれませんが、この給与明細書を審査する労働局側からすれば、「賃金台帳と給与明細書の基本給が違う」となってしまいます。
また、基本給をアップさせることが要件のキャリアアップ助成金の場合、「基本給が減額しているので不支給」となる可能性もあります。
2.正しい記載方法
基本給と欠勤控除額をきちんと明記しておくことが必要です。
基本給:200,000円
欠勤控除:-30,000円
支給額:170,000円
給与計算や記載方法が不安な場合は、社会保険労務士等の専門家にチェックしてもらいましょう。
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