
公益社団法人経済同友会は2026年10月2日、中低所得の就業者を重点的に支援する「就業者負担軽減支援金」について、具体的な給付イメージを盛り込んだ政策提言を公表しました。
提言では、本体の支援額を最大15万円とし、給与収入換算でおおむね150万円~200万円の層で最大額となるモデルを提示しています。また、子育て世帯については、モデル世帯で4.8万円の「こども加算」を上乗せする案も示されています。
重要:15万円の給付が政府決定したわけではありません。「本体最大15万円」「子育て世帯への加算」などの金額は、経済同友会が政府の制度設計に対して示した提言・試算です。政府が正式に決めた支給額として申請できる段階ではありません。
政府側では制度そのものの導入方針は決まっています。政府は2026年9月15日、「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を閣議決定し、2027年度の先行導入に向けて制度設計を進めています。今回の15万円案は、その政府制度について経済同友会が具体的な設計案を提言したものです。
経済同友会が示した「最大15万円案」とは?
経済同友会は、日本の中低所得層について、税・社会保険料などを差し引いた「純負担率」が主要国と比べて重いと分析しています。その負担を軽減するとともに、働くほど手取りが増える制度とするため、就業者負担軽減支援金を中心とした改革を提言しました。
提言資料で示された子育て世帯のモデルでは、支援本体は給与収入の増加に応じて増え、一定の所得帯で最大となった後、所得がさらに増えると徐々に減る設計です。
| 給与収入換算の目安 | 経済同友会案の本体支援 | 考え方 |
|---|---|---|
| 約69万円 | 本体0円から開始するイメージ | 一定以上働くほど支援額が増える設計 |
| 約150万円 | 15万円 | 最大額に到達 |
| 約200万円 | 15万円 | 最大額を維持 |
| 約250万円 | 0円へ逓減 | 所得増加に伴って段階的に支援を縮小 |
※上記は経済同友会の提言資料に示されたモデルを、給与収入換算額で整理したものです。政府の正式な所得基準・給付額ではありません。
子育て世帯には「こども加算」も提言
経済同友会の試算は、共働きの被雇用者夫婦・子ども2人の世帯を主なモデルにしています。
このモデルでは、本体最大15万円に加えて4.8万円の「こども加算」を上乗せする形が示されており、合計の支援額は最大19.8万円となります。
経済同友会は、この4.8万円について、3歳以上の第1子・第2子に支給される児童手当の2割に相当する水準として説明しています。提言資料では、こども加算を「19歳未満の居住者である扶養親族の数に応じた加算」と位置付けています。
「子育て世帯なら必ず19.8万円」という意味ではありません。19.8万円は、経済同友会が示したモデルにおいて本体15万円とこども加算4.8万円を合計した水準です。実際に政府制度として採用される金額、子どもの年齢・人数による加算方法などは今後の正式な制度設計を確認する必要があります。
制度概要
提言主体
公益社団法人経済同友会の財政・金融・社会保障委員会です。
対象地域
日本全国で導入が予定されている政府の「就業者負担軽減支援金」を念頭にした政策提言です。ただし、経済同友会そのものが給付を実施するわけではありません。
想定される対象者
経済同友会は、勤労収入があり、税や社会保険料を負担している中低所得者を中心に支援する考え方を示しています。
提言のモデルでは、給与収入換算で約69万円から約250万円までの範囲で支援額が変動し、特に主要国との純負担率差が大きい1人当たり給与収入約200万円までの中低所得層を重点的に支援するとしています。
支給額・補助額
経済同友会案では、支援本体は最大15万円。モデル上は給与収入換算約150万~200万円の範囲で最大額となります。
子ども2人のモデル世帯では、さらにこども加算4.8万円を想定し、本体と合わせて最大19.8万円となるイメージが示されています。
申請期間・支給時期
経済同友会案としての申請期間はありません。政策提言の段階であり、この15万円案について個人が申請することはできません。
政府は就業者負担軽減支援金を2027年度に先行導入する方針ですが、実際の受付時期・支給時期・申請方法は、法制化や正式な制度詳細の公表を待つ必要があります。
申請方法
現時点では、経済同友会が示した最大15万円案に対する申請窓口はありません。今後、政府から正式な手続きが示された場合は、内閣官房・関係省庁・自治体などの公式情報を確認してください。
主な条件
経済同友会は、勤労収入がある中低所得者を中心に、所得が増えると支援額も増え、その後なだらかに減る仕組みを提案しています。就労を増やしたことで急に手取りが減る「年収の壁」のような問題を緩和し、勤労意欲を高める狙いがあります。
注意点
ニュースなどで「年収200万円なら15万円」「子育て世帯は約5万円加算」と報じられていますが、これらはあくまで経済同友会の提言内容です。政府の正式な支給額として確定したものではありません。
政府が決めたことと、経済同友会の「案」を分けて確認
| 項目 | 2026年10月5日時点 |
|---|---|
| 就業者負担軽減支援金を導入する方針 | 政府が大綱を閣議決定済み |
| 2027年度に先行導入する方針 | 政府方針として公表済み |
| 本体最大15万円 | 経済同友会の提言 |
| 給与収入約150万~200万円で15万円 | 経済同友会のモデル案 |
| 子ども2人モデルで4.8万円加算 | 経済同友会の提言 |
| 最終的な所得上限・給付額・申請方法 | 今後の正式な制度設計を確認する必要あり |
経済同友会は財源1.7兆円をどう確保する案?
経済同友会は、支援金の制度所要額を約1.70兆円と試算し、財源確保を先送りすべきではないとしています。
| 提言された財源策 | 確保額の試算 |
|---|---|
| 中小企業向け賃上げ促進税制の廃止 | 約3,300億円 |
| 配偶者控除・配偶者特別控除の廃止 | 約4,500億円 |
| 基礎控除・扶養控除を所得控除から税額控除へ移行 | 約5,400億円 |
| NISAを除く金融所得課税の強化 | 約3,800億円 |
| 合計 | 約1.70兆円 |
金融所得課税については、利子・配当・株式等譲渡益の税率を現在の15%から17.25%へ引き上げる案を示しています。これらも政府決定ではなく、経済同友会による財源提言です。
いつから実施される?
政府は2026年9月15日の大綱で、就業者負担軽減支援金を含む「所得に連動したきめ細かな給付」を2027年度に先行導入する方針を示しています。
また、政府は2029年度からの本格的な制度導入を目指しています。経済同友会も、2027年度に先行導入し、2029年度から国による本格運用へ移す工程を提言しています。
ただし、今回報じられた「最大15万円」がそのまま政府制度として採用されるとは限りません。今後の法案、政省令、政府・自治体の公式発表が重要です。
この記事のポイント
- 経済同友会が2026年10月2日、就業者負担軽減支援金の具体案を発表
- 提言では本体を最大15万円とし、給与収入換算約150万~200万円で最大額とするモデル
- 子ども2人のモデルでは4.8万円のこども加算を想定
- 本体+加算でモデル上は最大19.8万円
- 制度全体の所要額は約1.70兆円と試算
- 15万円は政府の正式決定額ではなく、経済同友会の提言
- 政府は就業者負担軽減支援金の導入方針自体は閣議決定済み
よくある質問
Q:年収200万円なら15万円もらえることが決まったのですか?
いいえ。給与収入換算約200万円で本体15万円という水準は、経済同友会が示した政策提言上のモデルです。政府が個人への支給額として正式決定したものではありません。
Q:今すぐ15万円を申請できますか?
できません。経済同友会の提言に対する申請制度はありません。政府の就業者負担軽減支援金についても、正式な申請方法や受付開始時期の公表を待つ必要があります。
Q:子育て世帯は全員5万円追加されますか?
現時点で確定していません。経済同友会は子ども2人のモデル世帯について4.8万円のこども加算を示していますが、政府が同じ加算額を採用すると決まったわけではありません。
Q:対象になる年収はいくらまでですか?
経済同友会のモデルでは、給与収入換算で約250万円に達すると本体支援がゼロになるイメージが示されています。しかし、政府の正式な所得上限として確定した数字ではありません。
Q:政府は就業者負担軽減支援金自体もまだ検討中なのですか?
制度導入の方針自体は進んでいます。政府は2026年9月15日に「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を閣議決定しました。ただし、今回の経済同友会案にある15万円などの具体額とは区別して考える必要があります。




