
ポルトガルの社会保障制度には、低所得の高齢者へ毎月現金を補う「Complemento Solidário para Idosos(CSI:高齢者連帯補足給付)」があります。2026年は原則66歳9カ月以上の低所得高齢者が中心で、単身者の月額上限は670ユーロです。
この制度はポルトガル居住者等を対象とし、原則として少なくとも6年間連続してポルトガルに居住することなどが必要です。日本だけに居住する人が利用できる制度ではありません。670ユーロは単身者の「最大額」であり、全対象者へ一律支給される金額ではありません。
正式額はユーロです。2026年10月1日のECB参考レート1ユーロ=178.49円で換算すると、670ユーロは約119,588円(約11.96万円相当)です。
制度概要
実施機関
ポルトガル社会保障庁(Instituto da Segurança Social, I.P.)。
対象地域
ポルトガル。居住要件を満たすポルトガル居住者または法令上これに準じる人が対象です。
対象者
低所得の高齢者で、2026年の通常老齢年金年齢である66歳9カ月以上が中心です。公式ガイドには一定の障害年金受給者も対象となり得るとありますが、本記事では高齢者向け制度としての条件を扱います。
所得・居住条件
単身者は年間総所得8,040ユーロ以下、夫婦・2年以上の事実婚世帯では世帯年間所得14,070ユーロ以下かつ申請者本人の所得が8,040ユーロ以下であることが基本条件です。さらに、原則としてポルトガルに少なくとも6年連続で居住していることが必要です。
給付額・支援額
給付額は、単身者なら年間基準額8,040ユーロ、夫婦等なら14,070ユーロと、審査対象となる年間所得との差額を12で割って計算します。単身者の場合は月最大670ユーロです。
計算のポイント:「月670ユーロの定額給付」ではありません。たとえば審査対象所得がある場合、その分だけCSIは小さくなります。給与、事業所得、利子・配当、家賃収入、年金、一定の資産評価額などが所得判定に含まれます。
申請方法
社会保障窓口またはSocial Security Portalから申請します。CSI 1申請書のほか、必要に応じて所得付属書、本人確認、NISS/NIF、銀行IBAN、居住期間を証明する書類、年金・資産関係資料などが必要です。
申請期間
公式実務ガイドでは年1回の一律締切日は設けられておらず、条件を満たす人が申請できます。
支給時期
必要書類がそろって申請手続きが完了した月の翌月から支給対象となります。年金受給者は年金と一緒に、社会保障年金の受給者でない場合は郵便為替または銀行振込で支払われます。
主な条件
社会保障当局が税務・銀行情報へアクセスすることへの同意が必要です。また、住所、世帯構成、所得等に変化があった場合には報告義務があります。
予算上限・先着順
2026年5月21日版の公式実務ガイドには、申請を先着順で締め切る制度や、年間予算消化で一律終了する仕組みは示されていません。資格・所得・居住条件の審査が中心です。
注意点
2027年の給付額引上げ案など、今後の予算・政策案は本記事の支給額には含めていません。2026年10月2日時点で適用される公式ガイドの670ユーロを基準にしています。
どんな人が対象になりやすい?
代表的なのは、ポルトガルに長期居住し、老齢年金などを受け取っていても年間所得が基準額を下回る高齢者です。一方、短期滞在者、ポルトガルへの居住期間が不足する人、所得基準を超える人は対象外となる可能性が高くなります。
この制度のポイント
- 低所得高齢者向けの毎月の現金補足給付
- 2026年の単身者上限は月670ユーロ
- 給付額は所得との差額方式で一律ではない
- 原則6年のポルトガル居住要件
- 書類がそろった申請完了月の翌月から支給
よくある質問
Q:対象になれば毎月670ユーロですか?
いいえ。670ユーロは単身者の最大額です。実際の額は基準額と審査対象所得との差で決まります。
Q:子どもの所得も高齢者本人の審査に入りますか?
現行制度では、過去の制度から見直しが行われ、子どもの所得を資力審査に算入しない扱いが導入されています。本人と配偶者・事実婚相手の所得・資産等が重要です。
Q:日本からオンライン申請だけすれば対象になりますか?
いいえ。原則6年以上のポルトガル居住など実体的な資格要件があります。




